頭頸部がんのセカンドオピニオンなら佐藤 俊彦

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頭頸部がん

頭頸部がんとは

頭頸部は、口から始まり気管や食道の入口までの間に位置する、とても重要な臓器が集まった一つの場所を指します。
この場所は口腔、唾液腺、鼻腔、甲状腺、上咽頭、中咽頭、下咽頭、喉頭、声門(声帯)に分かれており、それぞれに発生した悪性腫瘍を総称して頭頸部がんと呼びます。

この頭頸部に発生するがんは、全悪性腫瘍のわずか数%にしかすぎず、かつがんが発生する部位が多岐にわたっているため、発生原因や治療法、予後が大きく異なります。
また、頭頸部は私たちが生活していく上で必要不可欠な食事、呼吸、発声に直結する場所でもあるため、治療の経過中にこれらの機能が失われ、生活の質を大きく落とすことにもなりかねません。

このたくさん種類がある頭頸部がんの中から、食事、呼吸、発声に大きな影響を与える喉頭がんについて説明します。

頭頸部がんと喫煙の関係

頭頸部がんの症状

喉頭がんだけには限りませんが、口の中に腫瘍が出来ると、嚥下時の違和感や痛みが出ます。
声帯に影響が及んだ場合は、ガラガラ声や抜けた声しか出なくなります。
鼻腔に腫瘍が発生すると、鼻が常に詰まったように感じたり、匂いを感じなくなります。

頭頸部がんの原因

喉頭がんを含む頭頸部がんの多くは中高年の男性に多く発症しますが、その原因としてはタバコの煙といわれています。
これは食道がんや肺がんと同様に、タバコの煙に含まれる有害物質に長期間さらされることでがんが発生すると言われ、喫煙者は非喫煙者の10倍以上喉頭がんによる死亡率が高いとされています。

また過度の飲酒、口腔内の不衛生も関与するとされています。
日本頭頸部がん学会や日本口腔外科学会では禁煙や口腔内環境の整備など、喉頭がんの予防に向けた積極的な啓蒙活動を行っています。

また、子宮頸がんの発生に関連するヒトパピローマウイルスも喉頭がんの原因になるといわれており、予防接種の効果があるか現在研究が続いています。

頭頸部がんが悪化すると

喉頭がんが悪化すると、まず口の中にがんが広がることで、出血をします。
気管の入口まで広がると、息ができずに窒息することもあります。当然嚥下もできなくなるため、食事摂取が困難になります。

喉頭がんは首や顎のリンパ節にも転移しやすいため、転移したリンパ節が徐々に大きくなり、首に硬い腫瘤を作るようになります。
首には頸動脈という太い血管があり、これに転移したリンパ節が食い込み始めると、大出血を起こすこともあります。

頭頸部がんの治療

喉頭がんを含む頭頸部がんは、口やのどにある扁平上皮と呼ばれる細胞ががん化して発症します。
この扁平上皮がんは放射線が良く効きますので、頭頸部がんに対する治療は放射線療法を中心として行います。その他、状況に応じて以下の治療法が選択されます。

外科手術

がんの状態が早期の場合、がんの部分だけを切り取る部分切除が選択されることがあります。
しかし、切除する場所によっては、嚥下や呼吸に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

抗がん剤治療

がんが進行している場合や、早期のがんでも切除することで日常生活に支障が出ることを避けたい場合は、抗がん剤治療が選択されます。
多くの場合、放射線療法と同時に行います。

放射線療法

抗がん剤治療と同様に、切除することなく治療を進めたい場合に選択されます。
こちらは放射線療法のみでも治療が可能です。

免疫療法

最近では、免疫チェックポイント阻害剤を用いた新しい治療法が開発されています。

頭頸部がんに対するセカンドオピニオン

頭頸部がんに対する治療方法は、どの部位に出来たか、どの程度進行しているか、等の条件を加味して選択されます。
外科手術、抗がん剤治療、放射線療法を組み合わせた治療となりますので、それぞれの治療に詳しく副作用の管理にも長けた医療機関で治療を受けることが望まれます。

また、治療経過の中で口腔機能のリハビリが必要となることもありますので、十分なリハビリを受けられることも重要です。

がんの治療だけでなくその後のリハビリも見据えた治療計画を立てるために、がん拠点病院などの専門施設で「セカンドオピニオン」を受け、納得して治療を進めていくことが重要です。

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