非小細胞肺がんのセカンドオピニオンなら佐藤 俊彦

がん治療のセカンドオピニオンNIDCのサイトメニュー

非小細胞肺がん

非小細胞肺がんとは

肺に出来る悪性腫瘍(がん)のうち、非小細胞肺がんと呼ばれる種類の肺がんが日本人で多くみられます。

この非小細胞肺がんは肺がん全体のうち約80%を占め、小細胞肺がんと呼ばれる肺がんが残りの20%です。
ここでは、肺がんの大多数を占める非小細胞肺がんについて説明します。

非小細胞肺がん

非小細胞肺がんは、大きく分けて以下の4つに区別されます。

①扁平上皮がん

肺にある扁平上皮という細胞から発生するがんで、喫煙との因果関係が最も強い肺がんです。特に男性に多く発生します。
このがんは、太い血管や気管支がある肺門(肺の入口)と呼ばれる場所に多く出来ます。

②腺がん

肺にある腺上皮から発生するがんで、日本人に発生する肺がんでは最も多く、全肺がんの40%を占めるといわれています。
男女比は2:1と男性に多いのですが、女性に発生した肺がんの約70%がこの腺がんです。このがんは、肺の末梢(端っこのほう)に発生することが多いです。

③大細胞がん

大細胞肺がんは肺がん全体の数%程度と少ないですが、他のがんと比較するとその進行が早く、発見されたときには既に転移を認めている場合が多いです。

④その他特殊な肺がん

特殊な肺がんとしては、カルチノイドと呼ばれる腫瘍、気管支から発生するがん、肉腫と呼ばれる特殊な悪性腫瘍があります。

非小細胞肺がんの症状

これらの肺がんで出る症状は、がんが肺門の近くに出来るか、末梢に出来るかに大きく影響されます。

肺がんと初めて診断されたときに現れている症状は、多い順に咳・痰、体重減少、胸の痛み、息苦しさ、血痰、最後に検診異常(無症状)となります。
肺門と呼ばれる肺の入口に出来やすい扁平上皮癌の場合、がん細胞は太い気管支の中にポリープ状となって増殖します。
その結果、気管支を閉塞させてしまい、肺がつぶれた無気肺と呼ばれる状態になることがあります。

一方で腺癌など肺の末梢に出来るがんでは、進行するまで明らかな症状が出ないことが多いです。

非小細胞肺がんの原因

扁平上皮はい癌は喫煙の有無がその発生に大きく関与しますので、50歳以上で喫煙歴がある方では喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)を測定し、肺がん発生の危険度を評価します。
この喫煙指数が600を越える場合、扁平上皮肺がんの高危険群と考えられ、胸部レントゲン写真を撮影します。
レントゲン写真で肺がんが疑われた場合、痰の中にがん細胞が混じっていないかを調べる、喀痰細胞診を3日連続で行います。

女性に多い肺腺がんですが、喫煙歴のない女性に多いことが近年報告されています。
厚生労働省の調査では、タバコを吸わない女性の肺がんの8割が肺腺がんであり、受動喫煙を受ける機会が多い女性に肺腺がんも多かったといわれています。

大細胞肺がん、その他特殊な肺がんに関しては、喫煙のように確定的な原因ははっきりしていません。
しかし、喫煙や副流煙が悪影響を及ぼしていることは間違いありません。

非小細胞肺がんが悪化すると

肺門に出来やすい肺扁平上皮がんが悪化すると、肺にとって重要な太い気管支や血管へ浸潤し、閉塞させます。
気管が閉塞した場合、無気肺という肺での酸素交換ができない状態となってしまい、急激な呼吸困難感が出ます。
太い血管が閉塞した場合では、上半身から心臓に帰ってくる血液が滞ってしまうことによる「上大静脈症候群」と言われる症状が起こります。
上半身のむくみ、頭痛、失神発作などが代表的な症状です。

また、末梢にできた肺腺がんなどでは、末梢の小さな血管に浸潤し破壊することで、気管の中に血液が逆流し、喀血する場合があります。

非小細胞肺がんの治療

非小細胞肺がんは小細胞肺がんとは異なり、抗がん剤治療や放射線療法が効きにくいがんです。
そのため、根治的な治療方法としては外科手術による完全切除以外にはありません。
そのため、様々な画像診断を用いて、手術ができるかどうかを的確に判断しなければなりません。

非小細胞肺がん全体の5年生存率は40%台で、ステージⅠの早い段階で治療を受けた場合の生存率は良いですが、多くを占める進行したステージⅢ、Ⅳの場合では予後が極めて悪くなります。

近年、特定の遺伝子異常に対する分子標的治療や、免疫療法として免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる新しい機序の薬剤が開発・承認されています。
しかし通常の抗がん剤とは対象となる方の選定や特殊な副作用の管理などの点で大きく異なるため、管理に慣れた医療機関での治療が望まれます。

非小細胞肺がんのセカンドオピニオン

非小細胞肺がんに対する治療方法は、早期発見による外科治療しかないと言っても過言ではありません。
また、免疫チェックポイント阻害剤のような新しい薬剤を用いた治療を行う場合は、副作用の管理にも長けた医療機関で治療を受けることが望まれます。

非小細胞肺がんは手術の適応があるかどうかを正確に判断することが重要です。
主治医から提案された治療方針に少しでも迷いがあるのであれば、積極的に「セカンドオピニオン」を活用し、複数の医師から診察を受けることが重要です。

癌の種類一覧へ