前立腺がんのセカンドオピニオンなら佐藤 俊彦

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前立腺がん

前立腺がんとは

前立腺がんは、男性のみがもつ前立腺という臓器の組織から発生する、高齢男性に典型的ながんです。

もともとは欧米諸国で多くみられたがんですが、現在日本においても高齢化や生活の欧米化に伴い急増しています。
厚生労働省による「全国がん登録全数調査」では、2016年の時点で男性がん患者の第4位となっています。

前立腺がんは症状が出にくいため早期発見が難しいと言われてきましたが、PSA検査が広まってきたことにより、より早期の段階で見つけられるようになってきています。

また、前立腺がんの診断には超音波、CT、MRIなどの画像検査を組み合わせて行います。
がんの広がりや転移を調べるため、骨シンチグラフィーやPET検査も併せて行う場合があります。

前立腺がん

前立腺がんの症状

前立腺がんは、初期ではほとんど症状が出ることはありません。
前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen: PSA)という値が高くなり、前立腺がんが疑われてはじめて診断されることがあります。
現在の日本においては、PSA検査を含む前立腺の検査は健康診断に含まれていないため、何か気になる症状があれば病院を受診することが薦められます。

前立腺がんが大きくなり、尿道や膀胱へ影響を与えるようになって始めて症状がでます。典型的な症状は前立腺肥大症と似ており、尿が出にくくなったり、残尿感を感じることがあります。
また、前立腺がんが進行すると他の臓器へ転移することもあり、たとえば骨に転移をした場合には痛みを伴ってくることもあります。

前立腺がんの原因

前立腺がんが発生する危険因子として年齢、家系、そして人種であるとされています。

50歳以下では前立腺がんはほとんどみられませんが、60歳を超すと10万人当たり21.1人、70歳を超すと10万人当たり103.1人、80歳を超すと256.6人と、高齢になるほど急激に増加します。
また、1親等以内の家族が前立腺がんになったことがある場合、60歳以下で前立腺がんを発症しやすくなるといわれています。

その他、米国では黒人が白人より前立腺がんを発症しやすかったり、生活習慣や食事による脂肪やたんぱく質の摂りすぎも危険因子として考えられています。

前立腺がんが悪化すると・・・

前立腺がんが進行すると、前立腺肥大症のような症状が出るだけでなく、がんが尿道や膀胱へ浸潤することによる症状も出てきます。
尿道や膀胱へ浸潤すると血尿、排尿障害(尿が全く出なくなってしまう障害)、膀胱刺激症状(排尿後も残尿感が強く残る症状)などが症状として出てきます。

また、前立腺がんが膀胱より上流の尿管まで浸潤すると、腎臓が水腎症という状態になります。
この状態になると腎不全を引き起こす可能性があり、尿毒症の症状が出ることがあります。

さらに、前立腺がんは骨へ転移することがあります。
骨へ転移した初期は症状が出ませんが、次第に骨転移部に疼痛が出現し、骨転移が全身に広がってしまうと末期には堪え難い痛みとなることがあります。

前立腺がんの治療

前立腺がんの治療は、以下の3つの方法から選択することが多いです。

①内分泌療法

前立腺がんはアンドロゲンというホルモンに依存して進行していくがんですので、このアンドロゲンを除去することを念頭に置いた治療を行います。

ほとんどの場合はホルモンを抑える薬を内服や注射で投与しますが、確実な方法として両側の精巣を摘出するという方法があります。
一般的には去勢と言われホルモンを抑える効果は高いのですが、精神的な影響が強く出てしまうため、最近ではあまり選択されることがありません。

②放射線療法

放射線療法は、前立腺がんそのものに対する治療と、転移した部位に対する治療の両方を行うことがあります。
特に骨転移に対しては放射線療法が有効です。
また、前立腺の中に放射線を出す小さなカプセルを直接埋め込む小線源療法(brachytherapy)も効果的です。

③外科手術

遠隔転移がなく、手術で前立腺がんが完全に切除できると判断された場合には、前立腺全摘術という方法が選択されます。
最近では、ダビンチサージカルシステムという手術支援ロボットを活用した手術を保険診療で受けることができます。

手術の合併症として尿失禁、性機能障害、尿道狭窄などが起こり得ますが、この一つである尿失禁の発生頻度はロボットを使用した手術で低下するといわれており、日本国内における前立腺手術の大多数は手術支援ロボットを用いて行われています。

前立腺がんに対するセカンドオピニオン

前立腺がんに対する治療は、年齢、基礎疾患、腫瘍の大きさなどによって選択できる治療方針が変わってきます。

特に診断や放射線治療に関わる部分に関しては、複数の医師の意見を聞くことも重要です。

また、ロボット支援手術を受ける場合には、ロボット手術を行える資格を有しているか、施設として年間何例程度実施されているかを確認しましょう。
そしてセカンドオピニオンを活用して、納得いく治療を受けましょう。

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