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セントラルメディカルクラブについて

今回は、「セントラルメディカルクラブ」について、佐藤先生に貴重なお話をお伺いしました。

佐藤俊彦先生

佐藤俊彦
医療法人 DIC
宇都宮セントラルクリニック 理事

—今回のテーマは「セントラルメディカルクラブ」についてですが、宇都宮だけではなく東京の世田谷にも昨年オープンされたとのことで、詳しくお聞かせいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

はい、今回は私が設立した「セントラルメディカルクラブ」についてお話ししてみたいと思います。


最初は2003年に宇都宮にてメディカルクラブを設立いたしました。
なぜ作ったかというと、当時アメリカでは「コンシェルジュドクター」「ブティックドクター」といって保険診療では満足しない人達向けに会員制のメディカルクラブができ始めていました。
そこで私は日本でメディカルクラブを作るのであれば、1次予防(※1)、2次予防(※2)を目的としたセンターを作りたいと考えました。

※1.  1次予防とは「生活習慣の改善、健康教育など病気にかからないようにする処置や指導のこと」
※2.  2次予防とは「早期発見、早期治療を促して病気が重症化しないようにする処置や指導のこと」


1次予防、2次予防を目的にした場合、その施設は画像診断を中心にした方が良いと考えPET、CT、MRIなどの検査機器を導入しました。このような最新の検査機器を取り入れたことで、がんはもちろん脳や心臓などの疾患もトータルにケアできる施設「セントラルメディカルクラブ」が宇都宮に誕生することになりました。
  

このメディカルクラブは2003年5月からPETが入っており、当初はPETを受けるためのクラブということでした。PETは1日に10名程度しか受けられませんから、会員の方にその枠を買ってもらうようなイメージです。
実際に運営していくとPETを受ける人の大半は無症状の方ですが、初回で受けた方の5%-7%の方に「がん」が見つかるんですね。通常は2%-3%見つかれば良いとされていますが、その2倍から3倍ほどの確率で「がん」が見つかったのです。

PETで検査をすると非常に小さい病変でも見ることができます。従来MRやCTだけだと見落としていたものも、PETで見ると非常によくわかります。
それならがんが疑わしい方すべてにPET検査をすれば良いと思いますよね。
しかしここで日本の保険制度の大きな問題が出てきます。早期発見にPETが有効なことは明白なのですが、日本は保険の縛りが厳しいため、検査を健康保険で受けることができないのです。
そのため早期発見して病気を見つけて欲しい方を対象にメディカルクラブを立ち上げたのです。

 

そうして宇都宮でメディカルクラブの運営を行っている中、オリックスから私たちの取り組みに興味を持ったということで相談を受けました。相談内容としてはオリックスの抱えるクライアント企業に向けて、これから予防医療を事業化したいということでした。そこで、私の運営しているセントラルクリニックをモデルにして2023年3月にセントラルクリニック世田谷をオープンさせることになりました。

できることは宇都宮とほぼ同じなのですが、宇都宮は、FMT-PET(パーキンソン病等の早期診断や進行度評価のできる画像検査)やメチオニンPET、FDG-PET、アミロイドなど幅広いPETの種類があるのが特徴です。
そして2024年3月からPSMA-PETが始まります。これは前立腺がんの患者さんに向けたPETなのですが現在、日本では当院だけの検査となります。
宇都宮と世田谷に少し違いがありますが、どちらも連携してメディカルクラブの会員様、人間ドックの受診者様をサポートしているので、まずはお問い合わせください。

このメディカルクラブは現在、宇都宮と世田谷の2ヶ所となりますが他の病院やクリニックとの連携強化を進めており、よりコンビニエンスな検査体制を作っています。
そして精密検査と治療は多数の大学病院とも提携しております。


こうした画像センターやメディカルクラブを強化することは、中小企業をはじめとする企業経営者の方にとって大きな意義があると考えています。
現在、日本の中小企業において大きな経営課題となっているのが経営者の健康問題、後継者問題、技能承継といった健康リスクです。
この健康リスクを低減するためには、「早期発見」「早期治療」は重要になります。それを下支えするのがメディカルクラブになります。


皆さんも日本人の寿命は女性の方が男性より長いのはご存知だと思います。
平均寿命は
男性:81.41歳 女性:87.45歳  (2021年版 中小企業白書より)
ですが健康寿命は
男性72.68歳 女性:75.38歳
と男性は8歳ほど下がってきます。
(健康寿命とは、健康上の問題で生活が制限されることなく生活できる期間のことを指します。)

中小企業経営者にとってピークである60代から70代を健康に過ごせるかが、中小企業経営においても非常に重要な経営課題なのです。
だからこそ、私たちは経営者の健康リスクに注目して取り組みを強化しているというわけです。

そして日本人の死因の圧倒的第一はがんです。老衰を除く主な死因の約5割は三大疾患になります。そして日本人にとって2人に1人が罹患する身近な病気なのです。
しかし、実際にステージ1でがんが見つかれば5年生存率は90%以上にもなりますから、早期発見することが何より大切だと重ねて申し上げておきたいと思います。


しかし残念ながら日本の一般的な健康診断だけでは、がんを早期に発見することができない場合があります。がんが進行してからでは治療も大変になってくるわけですから、ぜひご自身の健康寿命や健康リスクについても考えてみてくださいね。
私たちはメディカルクラブを通して、多くの皆様の早期発見・早期治療をサポートしてまいります。ご興味がある方は一度お問い合わせください。

<セントラルメディカルクラブ宇都宮>
https://utsunomiya.centralmedicalclub.com/

<セントラルメディカルクラブ世田谷>
https://centralmedicalclub.com/

—先生ありがとうございます。メディカルクラブの意義や早期発見・早期治療の必要性を改めて理解することができました。また次回もよろしくお願いいたします。

聞き手

赤澤宣幸

赤澤宣幸:富士ゼロックス(株)、(株)船井総合研究所で経営コンサルティングの経験を積み重ねた後、独立。経営戦略から業務改革・集客マーケティングまでトータルに支援。個人事業主から東証1部上場企業まで幅広くコンサルティングを行い、1,800社以上の支援実績を持つ。現在も全国に多くのクライアント企業をかかえ、非常に高い成果の出せる実践的な経営コンサルタントとして活躍中。明治大学「WEBマーケティング実践講座」講師。

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