がん放射線治療の効果・「手術ができない」宣告の本当の意味とは?
高齢化の影響もあって、手術ができないがん患者さんが増えています。
「手術ができない」というのは、「治す方法がない」とイコールなのか……?
今回は、「手術ができない」ことの本当の意味に迫ります。
目次
「手術できないなら、もう治る見込みはない」のか?
「あなたはがんです」
医療機関を受診してこう言われたら、誰であってもショックなはずです。
その上、「残念ながら、手術はできません。」なんて言われたら、ショックどころではありませんね。
では、そう言われたらあきらめるしかないのでしょうか?
そんなことはありません。
「手術ができないなら、もう治らないんだ……」
このようにあきらめてしまった瞬間、がんが治る可能性は消えてしまいます。
実は、手術ができないがんを患っている方でも、治療できることがあるのです。
その方法は、放射線治療です。放射線治療は、がんによっては手術と同等の治療効果を望めます。高度放射線治療であれば、根治を望めるがんも増えてきました。
「でも、主治医に『手術以外に有効な治療法はない』と言われた!」という方もいると思います。
医師がこういう言葉を口にするときは、以下のような理由が考えられます。
医師が手術以外の治療法について見識がない
日本は長らく手術ファーストのがん治療を行ってきました。手術こそがんを治す最高で唯一の手立てと言う具合に、手術ばかりがフィーチャーされていたのです。
そのため、残念なことではありますが、今でも(特に外科の)医師の中には、放射線治療や抗がん剤治療といった治療法に見識のない者が少なからず混ざっているのです。
その医療機関に放射線治療の設備がない
放射線治療や高度放射線治療の装置は、どこのクリニックにでもある、というものではありません。
つまり、「有効な治療法がない」のではなく、「有効な治療を施せる設備がない」ということです。
親切な病院であればここでセカンド・オピニオンや放射線科への紹介をしてくれるものですが、こちらも残念なことに、全ての病院が親切なわけではないのでちょっと注意が必要です。
手術ができないと言われた場合でも、すぐにあきらめてはいけません。
手術以外の治療法がないのか、特に放射線治療が可能かどうか、少しでも疑問に思われる方は、ぜひ放射線治療に力を入れている医師を訪ねてセカンド・オピニオンを受けてみて下さい。
良い病院に出会えれば、
「当院には、最先端の放射線治療装置、サイバーナイフやトモセラピーがあります。
サイバーナイフやトモセラピーは、放射線のピンポイント照射ができます。
手術ができなくても、希望を持って放射線治療に取り組みましょう」
という言葉をもらえるはずですよ。
高度放射線治療はがん治療の希望の光
放射線治療は、手術と同等、またはそれ以上の治療効果を期待できる治療法です。
特に、最新機設備を使用した高度放射線治療は、がん治療の希望の光と言っても過言ではありません。
先の項でサイバーナイフやトモセラピーと言う名前を出しました。この2つはどちらも最新鋭の高度放射線治療装置です。
高度放射線治療は、がんを根治させるほどの強力な治療効果を持ちながら、副作用が他の治療法に比べてはるかに少ないのが大きな特徴です。
そこで、高度放射線治療のメリットを以下にまとめました。
QOL(生活の質)の維持・向上が可能
手術では体にメスを入れて臓器や組織を切り取るため、術後に辛い日々が待っています。抗がん剤治療ではがん細胞を叩きながら正常な細胞も同時に叩かれてしまうため、副作用がひどく出ます。
ですが、高度放射線治療にはそのような目立った副作用はありません。
そのため、治療中も、治療後も、今までと同じように日常生活を続けることができます。高度放射線治療はQOL(生活の質)の維持や向上ができるのです。
高齢者や末期がんの患者さんでも治療可能
固形がんの患者さんが「手術できません」と言われる場合、多くは以下の2つのどちらかに当てはまります。
- 手術できないほど転移が多い、状態が悪い
- 高齢や他の事情により手術に耐える体力がない
高度放射線治療であれば、どちらのケースも治療可能です。
照射部分を柔軟に選べる高度放射線治療は、早期がんの根治以外にも、末期がんの緩和ケアにも役立ちます。そして、副作用が少なく、治療自体も辛くないため、高齢者や体力に不安のある方でも受けられるのです。
まとめ
日本は超高齢化社会に入っています、これからも手術が難しいがん患者さんはどんどん増えていくでしょう。
今回のお話を通して「手術ができない」という言葉が「治す方法がない」とイコールではないということをわかってもらえたと思います。
放射線治療は、がんに厳しく、身体に優しく、高齢者でも受けられる理想的ながん治療法です。
放射線治療に対する正しい知識がもっと広がってほしいと願っています。