がんの痛みを緩和する方法は?マッサージなどのケアや薬の種類など解説

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がんの痛みを緩和する方法は?マッサージなどのケアや薬の種類など解説

がんの痛みを緩和する方法は?マッサージなどのケアや薬の種類など解説

がんの痛みは「我慢するしかない」と思っている方もいるかもしれませんが、適切な対処により和らげることができます。痛みをコントロールできれば、よく眠れるようになり、食事もおいしく感じられ、前向きな気持ちで治療に臨むことができるのです。

この記事では、痛みの種類や原因を解説し、医療機関での治療から自宅でできるケアまで、がんの痛みを緩和するための方法をご紹介します。

がんの痛みと緩和ケアの基本

がんの痛みと緩和ケアの基本

がんの痛みを緩和することの重要性や症状を緩和する方法など、まずは緩和ケアそのものについて理解しましょう。

がんの痛みを我慢せず早めに相談する重要性

がんの痛みは、適切な治療をおこなえば、多くの場合和らげることができます。

痛みをコントロールすることで、しっかり食事が取れ、よく眠れるようになります。気持ちも前向きになり、日常生活がより快適になります。体力を保つことで、がん治療を続けていく力にもつながります。

痛みの感じ方は人それぞれで、我慢する必要はありません。医師や看護師、薬剤師に早めに相談して、自分に合った痛みを和らげる方法を一緒に見つけましょう。

がんの痛みを緩和する主な方法

痛みを和らげる治療法は、主に3つあります。

基本となるのは飲み薬や貼り薬などの「薬物治療」です。痛みの種類や強さに合わせて、薬の種類や量を調整します。また「放射線治療」は、骨への転移などによる痛みに放射線を照射して症状を楽にします。さらに、薬が効きにくい場合は、痛みを伝える神経の働きを注射などで止める「神経ブロック」という選択肢もあります。

これらを組み合わせることで、快適な日常生活を送ることを目指します。また、マッサージや姿勢の工夫といった日々のケアも、痛みを楽にする大切なサポートです。

緩和ケアの目的と開始時期

緩和ケアは、がんによる痛み・だるさ・吐き気など体のさまざまな症状を和らげ、自分らしい生活を送れるようサポートする治療です。日々の生活の質を高めることを目指します。

緩和ケアは病気が進んでから始めるものと思われがちですが、がんと診断された時点から、がんを治す治療と一緒に受けることができます。早い段階でつらい症状が楽になれば、前向きに治療に取り組めますし、日々の生活もより快適になります。

苦痛を我慢する必要はなく、症状を感じたときには、遠慮せずに緩和ケアの利用を検討してみましょう。

がんの痛みを緩和する薬物療法

がんの痛みを緩和する薬物療法

がんの痛みを緩和する薬物療法について、WHOの基準や鎮痛剤の種類・使い分けについて解説しましょう。

WHO方式がん疼痛治療の概要

WHO(世界保健機関)が提唱する「WHO方式がん疼痛治療法」は、がんの痛みを適切にコントロールするための国際的な指針です。最大の目的は、痛みを和らげて生活の質を保つことにあります。

痛みの強さに応じて段階的に薬を選び、できるだけ飲み薬を使います。時間を決めて規則正しく服用することで、薬の効果を持続させるのです。

痛みの程度に合わせて薬を選ぶ「三段階ラダー」という考え方も広く活用されていますが、実際の薬の量や種類は、一人ひとりの状態や痛みのタイプに合わせて丁寧に調整します。さらに、便秘や吐き気などの副作用が出た場合の対策も同時におこなうことも重要視されています。

主な鎮痛薬の種類

がんの痛みの薬物療法は、痛みの強さや性質に合わせて、薬を使い分けたり組み合わせたりしておこなわれます。主に使用する薬剤について解説しましょう。

非オピオイド鎮痛薬

痛みを和らげる薬のうち、比較的軽いがんの痛みに対して最初に使われるのが「非オピオイド鎮痛薬」です。

代表的なものに、ロキソニンやセレコックスなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とアセトアミノフェンがあります。非ステロイド性抗炎症薬は炎症や痛みのもとになる物質を抑え、アセトアミノフェンは脳に働きかけて痛みを和らげます。

これらの薬は、がんの軽い痛みに対する基本的な治療薬として使用されています。すでにオピオイド鎮痛薬を使っている場合でも、補助的に併用することで、より快適な生活をサポートできることがあります。

ただし、非ステロイド性抗炎症薬には胃腸障害や腎機能障害などの副作用があるため、長期間続けて服用する場合は医師と相談することが大切です。

オピオイド鎮痛薬

オピオイド鎮痛薬は、中等度から強いがんの痛みを和らげるために使われる薬です。脳や神経に作用して痛みを抑える効果があります。

痛みの強さに応じて、コデイン・トラマドールなどの弱いタイプと、モルヒネ・オキシコドン・フェンタニルなどの強いタイプがあり、医師が適切に選択します。医師の指示通りに使えば依存のリスクは極めて低く、安全に使用できます。

オピオイド鎮痛薬は、時間を決めて規則正しく服用することが大切です。便秘や吐き気、眠気などの副作用が出ることがありますが、適切な対処薬を使うことで和らげることができます。

鎮痛補助剤

鎮痛補助剤は、通常の痛み止めだけでは十分に効果が得られないときに、一緒に使う薬です。神経が傷ついて起こるピリピリした痛みや電気が走るような痛み、骨への転移による痛みなどに効果が期待できます。

もともとはうつ病やけいれんの治療に使われていた薬ですが、痛みの伝わり方を調整する働きがあるため、がんの痛み治療にも活用されています。

よく使われるのは、プレガバリンなどの抗けいれん薬や、アミトリプチンなどの抗うつ薬です。また、腫瘍による神経圧迫やむくみに伴う痛みを軽減するため、ステロイド剤が使用されることもあります。

眠気やふらつきなどが出ることもあるため、一人ひとりの体調に合わせて、医師や薬剤師が量を細かく調整していきます。

鎮痛剤の使い分け

がんの痛みの治療では、症状の強さに合わせて薬を使い分けます。

比較的軽い痛みには、まず非オピオイド鎮痛薬の使用が推奨されます。一方、中程度から強い痛みの場合は、痛みを速やかに抑えるため、最初から強オピオイドを使用するのです。また、神経の痛みや骨への転移による痛みなど、通常の鎮痛薬が効きにくいケースでは、痛みのタイプに応じた補助剤を組み合わせて効果を高めます。

適切な痛みの管理により、日常生活の質を保ちながら過ごすことができます。医師と相談しながら、一人ひとりに合った薬の種類や量を調整していくことが大切です。

薬以外でがんの痛みを緩和する方法

薬以外でがんの痛みを緩和する方法

ここからは、薬物治療以外でがんの痛みを緩和する治療方法について解説しましょう。

放射線治療

がんによる痛みを和らげる方法として「放射線治療」があります。痛みの原因となっているがん組織に放射線を当てて小さくすることで、痛みを軽くする方法です。

特に、骨に転移したがんによる痛みには、放射線治療が効果的な方法として広く用いられています。骨転移のほか、皮膚やリンパ節への転移、脳転移による頭痛など、さまざまな痛みに対応できます。

痛みを和らげる治療は、がん治療と同時に進めることが大切です。放射線治療は、鎮痛剤治療と組み合わせて検討されます。

神経ブロック

神経ブロックは、痛みを伝える神経に麻酔薬を注射したり高周波で熱を加えたりして神経の働きを抑えることで、痛みを和らげる治療法です。

体の特定の部分に強い痛みがあるときや、薬物治療だけでは十分な効果が得られないとき、眠気などの副作用が心配なときに選択肢となります。特に、すい臓がんや胃がんといった内臓の痛みに対しては、高い効果が期待できることが知られています。

神経ブロック療法は、麻酔科やペインクリニックなど、専門的な知識と経験を持つ医師がおこないます。

自宅でできるがんの痛みを緩和する方法

自宅でできるがんの痛みを緩和する方法

治療以外にも、自分で痛みを予防したり和らげたりするセルフケアの方法がいくつかあるのでご紹介します。取り入れやすい方法を検討してみましょう。

体を温める・冷やす

「体を温める・冷やす」という温冷刺激により、痛みを和らげる効果が期待できます。

温める方法は、湯たんぽやカイロなどを使用すると良いでしょう。血行を促進することで筋肉の緊張を和らげ、痛みの原因物質の排泄を促します。ただし、炎症や傷のある部位や知覚が鈍い部位への使用は控えましょう。また、痛みどめの貼付薬を使用している場合は、事前に医師や薬剤師へ相談が必要です。

冷やす方法は、氷枕や保冷剤などを用いると良いでしょう。血管を収縮させ、痛みの原因となる物質の生成を抑えて痛みをやわらげることを目的におこなわれます。刺激を感じにくい部位や関節への使用は控え、冷やしてかえって痛みが増す場合は中止しましょう。

姿勢や日常生活を工夫する

がんの痛みを和らげるために、日々の姿勢や動作を見直しましょう。痛みがあるとき、普段の体の使い方を少し変えるだけで楽になることがあります。

例えば、お腹が痛いときは、服をゆるめて膝を曲げて横になる「うずくまる姿勢」が、お腹の緊張を和らげ痛みを軽くすることがあります。腰や背中が痛む場合は、体をひねる動きを避けたり、コルセットなどでサポートしたりするのがおすすめです。

また、どんなときに痛みが強くなるかを知り、無理のない範囲で体を動かすことは、筋肉や関節の痛みを和らげるのに大切です。寝具を体に合ったものに変えるなど、生活環境を整えることも痛みのケアにつながります。

腹式呼吸をおこなう

自宅でできるがんの痛みを緩和する方法の1つに、腹式呼吸があります。痛みが続くと不安や緊張が高まることがありますが、腹式呼吸で心身の緊張を解き、脳の興奮をやわらげることで、痛みを間接的に軽くする効果が期待できます。

具体的な方法は、まず息を吐ききり、鼻から4秒かけてお腹を膨らませるように息を吸います。少し息を止めてから、口をすぼめて8秒かけて細く長く息を吐き出します。この動作を繰り返すのが基本です。

腹式呼吸は、薬が効き始めるまでの補助的な対策としても役立ちます。自宅で手軽にできるので、毎日の習慣に取り入れてみましょう。

マッサージをする

マッサージは、つらい痛みを和らげるセルフケアの1つとして有用です。主な目的は、血の巡りを良くし、むくみを減らしたりこわばった筋肉をゆるめたりすることです。手足の先から体の中心へ、優しくなでるようにおこないましょう。

ただし、触れるだけで痛い部分や、赤く腫れている部分へのマッサージは避けましょう。がんや治療の影響で体が敏感になっているときは、通常より弱い力で優しくおこなうなど、自分の体調に合わせた力加減で試すのがおすすめです。

また、始める前には必ず医師や看護師に相談しましょう。

アロマセラピーを取り入れる

アロマセラピーは、がんの痛みを和らげるために自宅でできるセルフケアです。精油の香りが自律神経に働きかけ、心身の緊張をほぐすことで、不安や痛み、吐き気などの症状の緩和が期待できます。マグカップにお湯を入れて精油を1~2滴垂らす芳香浴が手軽でおすすめです。

ただし、一部の精油にはホルモンに似た作用があり、乳がんや子宮体がんの患者には適さない場合があります。皮膚に異常を感じたら使用を中止し、始める前には必ず医師や看護師に相談してください。

がんによる痛みの種類と原因

がんによる痛みの種類と原因

がんによる痛みは大きく3つに分類できます。痛みの種類やその原因について解説しましょう。

がん自体による痛み

がんによる痛みは、がん細胞が骨・内臓・神経など体の組織を直接傷つけたり圧迫したりすることで発生します。がん自体による痛みは、発生源や性質によって以下の3種類に分けられます。

痛みの種類性質
内臓痛がんが内臓にできた場合に生じ、広い範囲に感じる鈍く重い痛み。
体性痛骨や筋肉、皮膚など体の構造部分から伝わる痛み。
「ズキズキする」「うずくような」鋭い痛みが特徴的で、動かしたり圧迫したりすると強くなる。
神経障害性疼痛痛みを伝える神経の経路が障害されたときに起こり、「ビリビリ」「チクチクした」「電気が走るような」しびれを伴う痛みが特徴。

痛みのタイプを知ることで、より適切な治療を選択でき、痛みを和らげることができます。

がんの進行に伴って生じる痛み

がんの進行に伴う体の変化によって痛みが生じることがあります。

例えば、活動量が減ると筋肉がこわばって痛みが出たり、リンパの流れが滞って手足がむくんだりすることがあります。また、内臓の働きが弱まることで便秘になり、それが痛みにつながることもあるのです。

長時間同じ姿勢でいると皮膚に負担がかかり、床ずれが生じて痛みを感じる場合もあります。これらの痛みは、がん細胞による直接的な刺激とは異なるため、それぞれの原因に合わせた適切なケアをおこなうことで、痛みを軽くすることができます。

がんの治療によって起こる痛み

手術・放射線治療・薬物療法などのがん治療によって、さまざまな痛みが生じることがあります。例えば、手術後の痛みが長く続く場合や、放射線治療をおこなった部位に食べ物や飲み物を飲み込むときの痛みが生じる場合があります。また抗がん剤の影響で口内炎の痛み、手足のしびれやピリピリした感覚が出ることもあるでしょう。

痛み止めを使っても治療の効果が弱まることはないので、つらいときは我慢せずに医師や看護師に伝えましょう。適切なケアを受けることで、身体的・精神的な負担を抑えながらに治療を続けることができます。

医療従事者へがんの痛みを適切に伝える方法

医療従事者へがんの痛みを適切に伝える方法

がんの痛みを医師や看護師などに伝えることは、適切な治療を受けるための大切な一歩です。痛みの状態を分かりやすく伝えるための3つのポイントをご紹介しましょう。

痛みの強さや特徴を自分の言葉で説明する

痛みは本人にしか分からない主観的な感覚であり、医師・看護師・薬剤師に自分の言葉で率直に伝えることが大切です。痛みの性質は多様なので、「ズキズキ」「ピリピリ」など擬音語を使ったり、「焼け付くような」「締め付けられるような」などの表現を使ったりすると良いでしょう。

痛みの生じる場所や感じ方によって原因も異なります。痛みの強さや範囲を具体的に伝えるよう心がけることで、正確な情報が伝わり適切な治療につながるのです。

痛みの状況をスケールや日記に記録する

痛みの強さを客観的に伝えるには、「ものさし」を使いましょう。例えば、痛みのない状態を0、最悪の痛みを10とする数字評価スケール(NRS)で表現する方法があります。

また、日々の痛みの状況を「痛み日記」に記録することをおすすめします。痛みの場所、強さ、いつからどのくらい続いたか、どんなときに痛むかを具体的にメモしてください。この記録があれば、医師や看護師、薬剤師が痛みの経過を正確に把握でき、個々に合った痛み止めの種類や量を調整しやすくなります。

痛みによる生活上の悩みを話す

痛みによって日常生活で困っていることがあれば、医師や看護師へ率直に話すことをおすすめします。がんの痛み治療の目標は、症状を和らげて快適な毎日を取り戻すことです。「ぐっすり眠れない」「食欲がわかない」「仕事や家事が思うようにできない」など、生活で困っていることを具体的に話しましょう。

また、気持ちが沈む、イライラするといった心の変化も大切な情報です。日頃の悩みについての情報が、自身に合った薬の調整や生活上の工夫を見つける手がかりになります。痛みをコントロールできれば、毎日を快適に過ごせるようになるでしょう。

がんの痛み緩和に関するよくある質問

がんの痛み緩和に関するよくある質問

がんの痛みを緩和する方法について、疑問や誤解されがちな内容をQ&A方式で解説しましょう。

医療用麻薬を使うと依存症になってしまうって本当?

がんの痛みに対して医療用麻薬が使われることがありますが、医師の指導のもとで正しく使えば安全に痛みを和らげることができ、依存の心配はほとんどありません。

痛みがあるときは、脳の仕組みにより、医療用麻薬は痛みを抑える働きだけをします。つらい痛みを無理に我慢せず、医師と相談しながら適切に使用することで、より快適な日常生活を送ることができます。

鎮痛剤を使うと寿命が短くなる?

医師の指示に従って使えば、寿命には影響しません。むしろ痛みを我慢すると心身に負担がかかり、治療の継続が難しくなることがあります。

痛みを適切に和らげることで、日常生活が快適になり、前向きに治療に取り組めるでしょう。最近の研究では、痛みをコントロールすることで生存期間が延びる可能性も示されています。

痛み止めは最後の選択肢ではなく、痛みの程度に合わせて早めに使い始めることが推奨されています。

鎮痛剤は一度使うと止められなくなるのか?

がん治療で使う鎮痛剤は、一度使い始めても必要に応じて減らしたり中止したりできます。薬の量が増えるのは、痛みの変化に合わせて調整しているためです。痛みの程度に応じて薬の量や種類を調整すれば、ほとんどの痛みは和らげることができます。

放射線治療やがん治療の薬の効果で痛みが改善した場合は、医師と相談しながら痛み止めを減らしたり中止したりすることも可能です。必要のない薬を続けることはないため、痛みの状態を正しく伝えながら、適切な治療を受けるようにしましょう。

まとめ

がんの痛みの緩和方法は我慢せずに主治医に相談してみましょう。

がんの痛みは、鎮痛剤の適切な使用や、マッサージ・姿勢の工夫などのセルフケアにより和らげることができます。医療用麻薬への誤解から痛みを我慢する方もいるかもしれませんが、その必要はなく、医師の指導のもとで正しく使えば安全に痛みをコントロールできるのです。

痛みの緩和ケアは終末期だけでなく、がんと診断された時点から治療と並行して受けられます。痛みの強さや生活への影響を具体的に伝えることで、自分に合った治療法が見つかるでしょう。

つらい痛みを我慢せず、主治医や看護師、薬剤師に早めに相談してみましょう。

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