グルタチオンにはどんな効果がある?おすすめの取り入れ方も解説

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グルタチオンにはどんな効果がある?おすすめの取り入れ方も解説

グルタチオンにはどんな効果がある?おすすめの取り入れ方も解説

美容面や健康面であらゆる効果が優れているグルタチオン。サプリメントや美容点滴にも利用される場面が増えているため、目にしたことがある方が多いことでしょう。実はグルタチオンには美肌効果やアンチエイジングだけでなく、特定の病気の悪化を抑制する可能性も示されていることをご存知でしょうか。

この記事ではグルタチオンの効果や体内の取り入れ方、併用すると効果的な成分などについて詳しく解説します。「グルタチオンにはどんな効果がある?」「グルタチオンの効果を得るにはどんな方法で摂れば良い?」など、グルタチオンに関するよくある疑問にも答えていますので、ぜひ最後までお読みください。

グルタチオンとは

グルタチオンとは

グルタチオンは、グリシン・グルタミン酸・システインの3つのアミノ酸から構成される化合物です。抗酸化作用や肝臓機能の改善、免疫力のサポート、細胞の修復や再生をするはたらきを持ち、健康状態や生命の維持に欠かせない成分です。

グルタチオンは体内で生成され、あらゆる細胞に分布し、とくに肝臓の細胞内に多く含まれています。しかし、グルタチオンの生成量は加齢とともに減少する特徴があるのです。

グルタチオンが減少すると、体の老化現象やさまざまな病気につながる可能性も高いです。体内のグルタチオンの量を維持し、健康的な生活を続けるためには、食事・サプリメントや点滴などによって摂取することが大切です。

グルタチオンの効果

グルタチオンの効果

グルタチオンには以下のような効果や作用があります。

  • 抗酸化作用
  • 美白・美肌作用
  • 免疫力の向上
  • アンチエイジング
  • 解毒作用
  • 酸化・還元作用
  • 新型コロナウイルス感染症の重症化予防

それぞれ詳しく見ていきましょう。

抗酸化作用

グルタチオンには強力な抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去する効果があります。活性酸素は、日常生活の酸素の利用によって体内に増える物質です。微量であれば体に有用なはたらきをしますが、大量に発生すると細胞が酸化して、動脈硬化や老化、免疫力の低下、がんが起こる原因になります。

グルタチオンを摂取すると、抗酸化作用により体内にたまっている活性酸素を効率的に除去できます。また、体内の細胞よりも先に酸化されやすい特徴があるため、細胞が酸化によって攻撃されなくなり、老化の防止や疲労軽減などにもつながるのです。

美白・美肌作用

グルタチオンにはメラニンを生成するチロシナーゼのはたらきを抑制する効果があり、肌のシミやそばかす、黒ずみの産生を抑えて美白に導きます。肌に紫外線などの外的刺激が加わると、色素細胞(メラノサイト)が活性化し、色素細胞のなかにあるチロシナーゼが作用し始めます。

チロシナーゼがメラニンを生成し、肌の表面にメラニンがたまって色素が沈着すると、シミやそばかすなどができるわけです。グルタチオンはチロシナーゼの作用を抑えて肌を白く導く効果があるため、美容医療では「白玉点滴」などと呼ばれる点滴にも利用されています。

免疫力の向上

グルタチオンには、白血球のリンパ球を活性化させて免疫力を高める効果があります。強い抗酸化作用により、体内の免疫細胞の酸化や還元を調節して、免疫力の衰えを防ぐ作用を持つからです。

グルタチオンがウイルスや細菌に感染しづらい体づくりをサポートすることで、風邪などの感染症にかかりにくくなるでしょう。また、花粉症などのアレルギー性疾患を抑制させる効果があるともいわれています。

アンチエイジング

抗酸化作用により体のあらゆる老化を防げるのも、グルタチオンによる効果の一つです。細胞の酸化、炎症、糖化は、体内の老化の3大要因となっています。

グルタチオンには、肌だけでなくさまざまな臓器の衰えを抑える効果もあり、アルツハイマー型認知症の進行を抑制できる可能性も示されています。グルタチオンを積極的に摂取することで、若々しい体を維持し、健康的に年を重ねやすくなるでしょう。

解毒作用

グルタチオンは肝臓のはたらきをサポートし、解毒作用を促す効果があります。肝臓にはアルコールや薬物などの体内に有害な物質を無毒化し、尿や胆汁に排泄させる働きがあります。

体内に有害物質がたまったり、肝臓の機能が落ちたりすると、解毒作用が追いつかなくなり、老廃物が蓄積して他の臓器の機能が低下する恐れもあるのです。グルタチオンを摂取して解毒作用を促すと肝臓の負担が減り、二日酔いなども防げることがわかっています。

酸化・還元作用

グルタチオンの抗酸化作用は、ビタミンCやビタミンEの酸化を還元する効果もあります。ビタミンCとビタミンEは、グルタチオンと同じ抗酸化作用を持つ成分であり、体内の細胞より先に酸化する特徴があります。

ここでグルタチオンを摂取すると、酸化したビタミンCやビタミンEを還元し、抗酸化作用を復活させる効果が生まれるのです。ビタミンCやビタミンEと同時にグルタチオンを取り入れることで、体内での抗酸化作用がより高まるでしょう。

新型コロナウイルス感染症の重症化予防

グルタチオンが新型コロナウイルス感染症の重症化を予防する可能性が研究で示されています。体内にもともとあるグルタチオンの欠乏は、新型コロナウイルス感染症の重症化と関係している可能性が判明しています。

それにより、新型コロナウイルス感染症の初期段階の補助療法として、グルタチオンとNアセチルステイン(グルタチオンの前駆体)の投与が有用であると考えられました。この研究結果は、今後の臨床研究や治療法の発展にも期待できるでしょう。

参考:Nebulization of glutathione and N-Acetylcysteine as an adjuvant therapy for COVID-19 onset

グルタチオンの摂取がおすすめな人

グルタチオンの摂取がおすすめな人

グルタチオンの摂取は、以下のような人におすすめです。

  • 肌を美白にしたい人
  • 肌のシミやくすみが気になる人
  • 日頃から疲労感や倦怠感を感じる人
  • 将来の老化や病気を予防したい人

グルタチオンは肌の美容だけでなく、健康維持やアンチエイジング、特定の病気の予防にも効果的です。意識して摂取することで、有害な物質から体を守り、さまざまな美容・健康効果が期待できるでしょう。

グルタチオンの取り入れ方

グルタチオンの取り入れ方

グルタチオンを摂取したい場合は、以下の方法で取り入れると良いでしょう。

  • サプリメントで摂る
  • 食事から摂取する
  • 点滴を受ける

それぞれ詳しく解説していきます。

サプリメントで摂る

グルタチオンを含有する「トルラ酵母」のサプリメントが販売されています。必ず使用上の説明書に沿って摂取し、不快な症状があれば医療機関に受診したり保健所に相談したりしてください。医薬品の代わりとして使用するのではなく、食事で足りない栄養素のサポートとして摂取しましょう。

食事から摂取する

グルタチオンは日々の食事からでも意識して摂取できます。グルタチオンが豊富に含まれている食材は以下になります。

食材100g当たりのグルタチオン含有量
トマト28.7±4.0mg
ほうれん草15.5±8.5mg
きゅうり15.4±3.3mg
えのきたけ13.3±2.3mg
かぼちゃ12.4±0.3mg
キャベツ11.2±3.2mg

参照:中川一夫,池内真理,次田陽子:植物性食品材料中のグルタチオン含有量. 食品衛生学雑誌. 1986, 27 (4),425-427.

これらの野菜を毎食の食事に取り入れてみましょう。加熱したり、刻んだりして調理をすると、かさが少なくなるため、栄養素の吸収率がより高まります。トマトジュースなどを普段から飲むようにするのも良いでしょう。

点滴を受ける

美肌やアレルギー予防、免疫力アップなどを目的とした、グルタチオン点滴が受けられる医療機関が増えてきています。グルタチオン点滴は保険適用外で、1回600~1,200mgの溶液を直接血管に補充する施術です。

経口摂取と異なり、消化器官などで分解されないため、より効率的に高濃度のグルタチオンを摂取できます。また、グルタチオン点滴は、パーキンソンの進行を遅らせる効果があるともいわれています。

医薬品によるグルタチオンの効果

医薬品によるグルタチオンの効果

グルタチオンの内服薬は薬物中毒やアセトン血性嘔吐症(※)、妊娠中のつわり、妊娠高血圧症候群に効果があると報告されています。注射剤では肝臓障害や湿疹、じんましん、放射線治療後の炎症などにも効果があり、点眼薬では白内障治療として認められています。

妊娠中の対症療法としても取り扱われているため、グルタチオンは比較的、安全性の高い成分だといえるでしょう。グルタチオンの医薬品は医療用医薬品なので、市販薬はなく必ず医師の処方が必要になります。内服薬や点眼薬を使用するときは用法と用量を必ず守り、医師や薬剤師の指示に従って取り扱ってください。

(※)アセトン血性嘔吐症:子どもに多く見られる、数時間から数日間にかけて激しい嘔吐を繰り返す病気。風邪や疲労をきっかけに体内の糖分がなくなることで、体内にアセトンという物質が増えて発症する。

グルタチオンの効果に関するQ&A

グルタチオンの効果に関するQ&A

ここで、グルタチオンに関するよくある質問をまとめました。ぜひご覧ください。

Q.グルタチオンは白髪を増やしますか?

A.グルタチオンの投与で白髪が増えるという口コミがありますが、科学的な根拠はありません。グルタチオンのメラニンを抑える効果により、髪の毛にも影響するのではという発想から生まれた噂だと推測されています。グルタチオンは肌を白くする効果がありますが、グルタチオンの摂取で白髪につながるという症例報告はないため、気にする必要はないでしょう。

Q.グルタチオンと相性の良い成分は何ですか?

A.グルタチオンと相性の良い成分はビタミンCとビタミンEです。上述したように、グルタチオンには酸化型ビタミンCと酸化型ビタミンEを還元する効果があるため、抗酸化作用の相乗効果が期待できます。3つの成分を併用して摂取すると、より美容面や健康面での効果が高まるでしょう。

ビタミンCとビタミンEは、以下の食材から摂取できます。

ビタミンCビタミンE
アセロラ
グァバ
ゆず
赤ピーマン
芽キャベツ
ブロッコリー
アーモンド
らっかせい
ひまわり油
オリーブ油
うなぎ
モロヘイヤ

Q.グルタチオンはがん予防に効果がありますか?

A.グルタチオンとがんの関係性にはさまざまな見解があり、はっきりと効果があるとは言い難いです。報告されている研究結果のなかには、一部のがん細胞の発生防止や進行抑制ができる可能性が示されています。がんに関しては科学的根拠が不十分な内容も多いですが、研究は日々進められているため、今後の治療場面への発展に期待が持てるでしょう。

Q.グルタチオンは摂りすぎても大丈夫ですか?

A.グルタチオンを摂りすぎて体に有害な事象が起きた例は多くありません。グルタチオンはもともと体内に存在する成分なので、医薬品による副作用の発症率も低いです。

しかし、グルタチオン点滴では高濃度のグルタチオンを一度に投与するため、まれにアナフィラキシーショックや頭痛、吐き気、嘔吐などが起こる可能性があります。グルタチオン点滴の際は、看護師がそばにいるため、何かあれば必ず迅速に対処してくれます。

施術中に副作用が現れた場合は、点滴の速度を落としてもらうことで症状が和らぐ可能性もあるため、遠慮なく相談してみましょう。食材から摂取するときは、一度の食事で取り入れられる量も限られているため、大きく心配する必要はないでしょう。

まとめ

グルタチオンの効果について詳しく解説

本記事ではグルタチオンの効果について詳しく解説しました。

  • グルタチオンは肝臓で構成されるアミノ酸の化合物で、体内のあらゆる細胞に分布している。
  • グルタチオンには強い抗酸化作用によって、美白肌、免疫力の向上、アンチエイジング、二日酔いの予防などの効果も得られる。
  • グルタチオンは酸化されたビタミンCやビタミンEを還元して抗酸化作用を復活させる効果もある。
  • グルタチオンにはパーキンソン病の進行を抑える効果があり、新型コロナウイルス感染症の重症化やアルツハイマー型認知症に対して予防効果を発揮できる可能性もある。
  • グルタチオンを効率的に摂取するには、サプリメントや食事、点滴を利用する方法がある。
  • グルタチオンの医薬品は薬物中毒やアセトン血性嘔吐症、肝臓障害、じんましん、白内障などに効果があるが、使用したい場合は医師の処方が必要になる。
  • グルタチオンとがん細胞の関係性は臨床研究が進められている段階であり、科学的根拠がまだ十分ではない内容も多い。

肌トラブルや疲れやすい体にお悩みの方、将来の病気の発症が心配な方は、日々の生活からグルタチオンを取り入れてみてはいかがでしょうか。グルタチオンについてより詳しく知りたい方は、以下の動画もご覧ください。

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