「超高齢化社会」のがん対策に放射線治療が適している理由とは?

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「超高齢化社会」のがん対策に放射線治療が適している理由とは?

日本では、がんで亡くなる方が増えています。
昔に比べて医学もはるかに進歩しているのに、変だと思いませんか?
医学が進み、がんが不治の病ではなくなった現代、なぜがんで亡くなる方が増えているのか、その秘密は日本が迎えつつある「超高齢化社会」にあるのです。

高齢化社会

超高齢化社会はもう始まっています

高齢化社会という言葉をよく耳にするようになりました。総人口に占める高齢者の割合が高い状態を指す言葉ですね。

高齢者の割合によって、以下の3つの呼び方があります。

  • 高齢化社会(ageing society)…高齢化率が7~14%
  • 高齢社会(aged society)…高齢化率が14~21%
  • 超高齢化社会(super aged society)…高齢化率が21%~

赤ちゃんからおじいちゃんまで全員合わせた中で、5人に1人以上が高齢者になると「超高齢化社会」と呼ばれてもおかしくないということのようです。

こうなると、日本の現状が気になりますね。
内閣府が発行している平成28年版高齢社会白書(概要版)によると、以下のようになります(数値は平成27年のものです)。

  • 総人口は1億2,711万人
  • 65歳以上の人口は3,392万人
  • 総人口に占める65歳以上の人口の割合は(高齢化率)は26.7%

なんと、先ほどの超高齢化社会の21%~を大きく超えた数字になっています。

実は、日本は世界のどの国よりも高齢化率が高いと言われているのです。経済的に豊かで、医療も発展しており、平均寿命が長い。普通に考えて無理のない話です。
ある意味では日本は世界一豊かな国ということかもしれません。

国が豊かになると、高齢化以外にもう一つ問題になるのが、少子化です。

少子化

国が貧乏なうちは、働き手として多くの子どもが求められるのに対し、国が豊かになると、求められる子どもの数は減少していきますね。

さらに、子どもを育てるのにかかる費用も大きくなるため、国が豊かになるにつれ少子化は進みます。
子どもの数が減り、高齢者が長生きすると、ますます高齢化率が高くなっていくことになります。

先ほども参考にした、内閣府の平成28年度高齢社会白書(概要版)には、2060年の日本の予測が載っています。

  • 総人口は8,674万人
  • 65歳以上の人口は3,400万人以上
  • 総人口に占める65歳以上の人口の割合は(高齢化率)は39.9%

なんと、日本の人口の2.5人に1人が65歳以上になる予測がたてられているのです。

「超高齢化社会」どころではありません。あえて言うなら「ハイパー高齢化社会」または「ウルトラ高齢化社会」でしょうか。

さて、もう超高齢化社会が始まっている日本では、がんでの死亡が増えています。
医療は発展し、豊かなはずの日本でなぜがんでの死亡が増えているのか見てみましょう。

日本でがんが増えている理由

医療の進歩には目を見張るものがあり、100%とは言えないまでも、早期がんの段階で発見されれば、かなりの確率で治すことができる世の中になってきました。

がん検診

ですが、がんになる方やがんで亡くなられる方は増えています。

国立がん研究センターによると、男女ともに、がんの罹患数(がんにかかる患者数)は1985年以降増加しており、2012年時点で1985年の約2.5倍になっています。
死亡数も同じで、2012年時点で1985年の2倍になっています。

そして、驚きなのが、先進国の中でがんが増え続けているのが日本だけだということです。
なぜ世界最高水準の医療が整っている日本でがんの罹患と死亡は増え続けているのでしょうか。

  • 高齢化
  • 治療法

高齢化

最大の理由とも言われているのが、先に取り上げた高齢化です。

人間は毎日体中の細胞が分裂して新しく入れ替わっているのですが、がんは、細胞が入れ替わる際のコピーミスが原因で生まれるとされています。

高齢化

そのため、長く生きていればいるほど、がんが生まれる可能性が高いということになります。
長生きする高齢者の数が増えている=がんの患者が増えているということです。

また、がんと年齢は強い相関関係があり、がんのなりやすさは年齢の2乗に比例すると言われています。
高齢になるほどがんになるリスクは増えるわけですね。

高齢者が多い=がん患者が多い、という図式が成り立ちます。

さらに、医療の進歩により他の病気で死ななくなったとこと、診断を受けて病院で亡くなる方が増えたこともがん死亡数の増加に関係しているでしょう。

治療法

もう一つ、がんの死亡数と深く関係していると思っているのが、日本のがん治療方針です。

日本では「手術ファースト」が一般的であり、放射線治療は二番手のように思われていますね。
ですが、必ずしも手術がベストとは限りません。
手術によって体力が奪われてしまうかもしれない、合併症が起きるかもしれない。取り逃したがんが飛び火のように転移や再発をしてしまうかもしれない。
手術にはそのようなリスクが付きまといます。

放射線治療

一方、放射線治療は圧倒的に患者さんへの負担が少なく、合併症のリスクもぐっと少ない治療法です。
しかも、放射線治療は患者を選びません。
欧米では日本より圧倒的に放射線治療の選択率が高くなっています。
もしかしたら、日本のがん死亡率が増え続けているのは、この選択が原因かもしれませんね。

まとめ

日本が迎えた「超高齢化社会」。
それに伴ってがんになる方や、がんで亡くなる方が増えていることをわかっていただけたと思います。
高齢者が皆さん長生きする中で避けては通れないがん、そしてそのがんの治療について、今一度考えて頂ければ幸いです。

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