高齢者医療の現状と手術・抗がん剤・放射線治療の年齢制限は?

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高齢者医療の現状と手術・抗がん剤・放射線治療の年齢制限は?

現代は「超高齢化社会」と呼ばれるほど、高齢者の数が増え続けています。

がんは、細胞における遺伝子のコピーミスが原因で発症すると発病することが多いと言われています。

「がん」は、年齢を重ねれば重ねるだけ発症率も増加します。
一般にがんは高齢者に多い疾患とされています。

超高齢化がさらに進む日本では、高齢者の増加はがんの増加を引き起こしており、今後の重要な課題となっています。

高齢者 がん治療

高齢者のがん罹患率・死亡率は年々増加傾向にある

1960年以降の年齢別がんの死亡率・罹患率の統計値推移を男女別にみると、がん死亡数の推移では、1960年には男性が約4.7万人、女性が約4.0万人でした。
しかし、2010年を過ぎると男性で5倍以上、女性でも4倍近い人数に増加しているのです。

なかでも65歳以上の高齢者が占める割合は、男女ともに約2倍に増加しています。
日本の高齢化は止まらないと言われているので、高齢者のがん治療において選択肢が増えるように研究され続けています。

高齢者って何歳から?

高齢者と一言でいっても、具体的に何歳からが高齢者かというと、いくつかの区分があります。

  • 国際連合(国連)・・・高齢者は60歳以上
  • WHO(世界保健機関)・・・65歳以上

日本の医療に関する法律では、前期高齢者は65~74歳、後期高齢者は75歳~となっています。

がんの三大治療法

がんの三大治療法といえば、「手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」です。

手術

がん治療において手術とは、いわゆる「メスでがんを切り取る」治療法です。
がんを手術で完全に切り取ってしまうができれば、がんは無くなります。

早期発見できた小さいがんの場合、手術で完治を目指すことができます。

しかし、進行してしまったがんが、体のあちこちに転移している場合や、がんのある場所が手術では対応しづらい場所だと、手術では対応ができないこともあります。

がん 治療 手術

また、高齢者など患者さん自身に体力がない場合は、手術は見送られることもあります。

がんの手術をしても、精密な画像判定でも見えないほどの小さながん細胞がリンパ管など体内に残っていた場合は、全身をめぐり他の場所に転移してしまう可能性もあります。

抗がん剤治療

抗がん剤治療は、抗がん剤という薬を使い、がん細胞の活動を抑制していきます。
広い範囲のがん細胞に一気に効果を出せるため、がんが転移して全身に広がった患者さんなどに使われる治療法です。

抗がん剤は効き目が強いのですが、その分副作用も強く出てしまうことが多いです。

副作用としては、以下のようなものがあります。

  • 強い吐き気
  • 脱毛
  • 下痢
  • 便秘
  • めまい
  • 発熱
  • 抵抗力が落ちる
  • 爪や皮膚の障害
    などがあります。

また「抗がん剤治療はとても辛いのに、終わりが見えないからさらに苦しい」と、精神的に追い詰められてしまうこともあります。

放射線治療

エックス線やガンマ線といったような放射線を使って、がん細胞を減らしていく治療法が放射線治療です。
近頃では、テレビのCMなどでも「陽子線治療」や「重粒子線治療」と言った言葉を聞くことがあるでしょうが、陽子線治療や重粒子線治療は放射線治療の一種です。

放射線は体の外からも中からも当てることが出来る上に、狙いを定めた箇所にピンポイントで照射することができるため、がんの発生した部位や、がんの状態によって照射の目的によって切り替えます。

がん 放射線治療 サイバーナイフ

がんが小さいうちであれば、完治も目指せますし、がんが全身へ転移しているようなときは、痛みなどの症状を緩和させることもできます。
メスを使わないのでがん治療なので、高齢者など体力に不安のある患者さんにもおすすめすることができる治療法です。

手術・抗がん剤治療の年齢制限ってあるの?

がんの手術は、実際のところ何歳まで受けられるのでしょうか?

いわゆるがんの手術における年齢制限は明確ではありません。
人それぞれ体力が違うように、年齢と体力は比例しているわけではないのです。
年齢が若ければ手術を必ず受けられるというわけでもなく、個人の体力や他に病気があるかどうかということも関係してきます。

高齢者 がん治療 年齢制限 放射線

しかし80歳を過ぎると、よほど体力がある人でなければ手術の選択肢は見送られます。
高齢化社会において、がん患者さんが手術の選択肢がなくなると、抗がん剤か放射線治療ということになります。

ただ、抗がん剤治療は、若い人でも副作用がつらいもので、高齢者であればさらにきつく感じるでしょう。
そんな時、がん治療の救世主とも言えるのが放射線治療です。

放射線治療は高齢者でも受けられる

放射線治療は、日本ではがん治療において主流の治療ではありませんが、欧米では高度放射線治療はがんの治療法として主流になってきています。

年齢を問わず受けることができる放射線治療は、世界中で幅広い年齢の人が受けています。

超高齢化社会の日本では、がんに放射線をピンポイント照射することができる高度放射線治療は、副作用も少なく高齢者のがん治療としては最適の治療法と言えるでしょう。

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