がん治療のセカンド・オピニオンについて知っておくべき3つのこと

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がん治療のセカンド・オピニオンについて知っておくべき3つのこと

がんという診断を受け入れるのは、簡単なことではありません。
何かの間違いではないのか……。そういう思いを持つのはいたって自然なことだと私は思います。
診断内容や治療方針に納得できないとき、助けとなるのがセカンド・オピニオンです。

今回は、セカンド・オピニオンについてのお話です。

セカンド・オピニオン

セカンド・オピニオンって何だっけ?

セカンド・オピニオンは、主治医以外の専門医の意見を聞くことを指します。
一般的なセカンド・オピニオンの例を紹介しましょう。

1.がんと診断される

一昔前まで、がんの診断は本人に告知しないのが常識でした。
今は、例え末期のがんであっても告知するのが常識です(もちろんタイミングや言い方には細心の注意が払われます)。
告知の後、さらに、「がんがどのような状態なのか」「どのような治療が考えられるのか」「この医療機関ではどのような治療を行えるのか」などと言った話が続きます。

がんの治療には、インフォーム・ドコンセント(Informed Consent/情報を得た上での同意)が大切にされます。
治療方針は医師が決めるのではなく、患者さんが納得した者でなければならないという考え方です。
治療は患者さんが納得して同意するまで開始されません。

主治医と話し合っても、診断や治療方針に納得できない場合、次に進むのがセカンド・オピニオンです。

2.セカンド・オピニオンを受ける

主治医と話し合った結果、納得できない状態が続くときは、セカンド・オピニオン制度を受けることができます。

病院の紹介状

セカンド・オピニオンは、主治医からの紹介状を持って、他の専門医の意見を聞く制度で、日本では、保険適用外、つまり自費の診療です。
特にがんの分野や精神科で活用されています。

セカンド・オピニオン先の病院または医師を選び、主治医に予約を取ってもらったら、現在の検査結果や紹介状を持って、いよいよ受診です。

この受診で検査をすることは原則ありません。持参した画像等を見ながら意見を仰ぐことになります。
疑問をぶつけ、専門医の意見を聞いたら、セカンド・オピニオンは終了です。

3.最初の病院へ戻って治療する

セカンド・オピニオンを受けた後は、最初の病院に戻って治療を受けることになります。
考えたこと、決めたこと等を医師と共有し、話し合い、治療方針に納得した時点で治療開始です。

希望する治療が最初の病院で受けられない場合は、他の病院に紹介され、転院となることもあります。
ちなみに、セカンド・オピニオン先の病院に移りたいときも、最初の病院で紹介状を書いてもらって転院するのがベストです。
紹介であれば、今までの検査記録や画像を持っていけるので、検査の時間や費用の節約になります。

セカンド・オピニオンの流れが分かったところで、次はセカンド・オピニオンにおけるリ・ステージングについて見ていきましょう。

セカンド・オピニオンを受けるとき

セカンド・オピニオンは自費です。時間もお金もかかります。
時間やお金を無駄にしないために、セカンド・オピニオンを上手に受けるために、頭に入れておいて欲しいことをまとめました。

  • 病院選びは慎重に
  • 聞きたいことを整理して
  • 答えが出ないこともある

病院選びは慎重に

セカンド・オピニオン先の病院や医師は、もちろん患者さんが自由に選ぶことができます。選ぶ際に大切なのはとにかく「慎重に」選ぶことです。

信頼できる医者

自分の病気や症状を治療した経験が豊富な医師を選ぶ。
その分野に詳しい専門医を選ぶ。

これは当然ですね。

もう一つ選ぶときに意識したいのが、医師の立場です。

医療界は良くも悪くも上下関係に厳しい業界です。
本来あってはならないことですが、万が一にも立場が邪魔をして正直な意見が言えない、なんてことが起きては困ります。

可能であれば、主治医よりも経験が長い、立場が上の医師を選べれば安心です。

聞きたいことを整理して

セカンド・オピニオンのために用意されている診察時間はおよそ30~60分程度です。
限られた時間の中で、聞きたいことを全て聞くためには、準備が大切。

メモを取る

聞きたいことをメモにまとめ、気になる記事や文献はコピーして持参する。現在までの経過や飲んでいる薬を一覧にしておくのもおすすめです。

主治医の書いた紹介状(診療情報提供書)にももちろん病状や薬の情報は記載されていますが、聞かれたらすぐに答えられるように、自分の手元にも用意しておくと安心です。

答えが出ないこともある

患者さんの中には、セカンド・オピニオン、サード・オピニオン、フォース……と繰り返ししまう方がいます。
そうしているうちに、何を信じたらいいのか分からず、次々と病院を訪れてはさまよう。
治療方針が定まらないので、治療が行えず、ただただ時間が過ぎていく中で病状は悪化の一途……、そんな状態は「がん難民」と呼ばれています。

セカンド・オピニオンを受けるときに、忘れてはいけないのは、必ずしも白黒はっきりした結論が出るわけではないということです。

最初の病院とセカンド・オピニオン先の病院で正反対のことを言われる……、よくあることです。
セカンド・オピニオン先で期待するような意見をもらえなかった……、これもありがちです。

患者さんが決める

どの医師の言葉を信じ、どの結果を受け入れるか。
最終的には患者さん本人が自分の力で決めるほかないというのが、セカンド・オピニオンの難しいところです。

まとめ

セカンド・オピニオンは万能ではありませんが、とても大切な制度です。
患者さん自身が治療や診断にちょっとでも疑問を持っているのであれば、積極的に受けるべきだと私は思います。
がん患者さんが皆さん、納得する形で治療を受けられるように祈っています。

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