がんは「不治の病」から「治る病」へ・・・治るがん治療とは?

がん治療のセカンドオピニオンNIDCのサイトメニュー

89

がんは「不治の病」から「治る病」へ・・・治るがん治療とは?

ひと昔前まで、がんば「不治の病」と認識されていました。
しかし、治療法の進歩や、早期発見技術の向上により、がんは「治る病」になってきています。

そこで「治るがん治療」について、具体的な例を示しながら考えてみましょう。

「治るがん治療」とは?

早期がんと進行がんで異なる治療法の選択

高度放射線治療では、がんの進行具合によって装置や治療法を使い分けます。
早期がんと進行がん、それぞれの例を見てみましょう。

早期がんの場合

早期がんは、がんによって細かい定義は異なるものの、ステージで言えばI~IIの状態で、比較的浅く、リンパ節への転移がないものを指します。

早期がんでは主にサイバーナイフによる治療を行います。
照射は1回で終わることもあれば、分割照射を行う場合もあります。
分割照射の場合、照射回数は4~5回、期間は1週間程度が目安です。

サイバーナイフ

サイバーナイフ単独での治療で十分に対応できる早期がんも少なくないですが、転移のリスクを下げるために、サイバーナイフ治療後に免疫細胞療法を組み合わせることもあります。

進行がんの場合

進行がんは、ステージで言えばIII期以降、早期がんより深く進んでいるがんを指します。

進行がんの治療には、トモセラピーでの高度放射線治療に加えて、免疫細胞療法など、複数の両方を組み合わせる治療が効果的です。

トモセラピー

具体的には、DCハイブリッド療法やBAK療法と言ったような免疫細胞療法、免疫チェックポイント阻害薬、そしてオンコサーミアなどが該当します。
複合的な治療でがんの消失を目指す方針です。

進行がんの場合、基本的に分割照射が適用されます。
がんによって定められた許容線量は異なります。
そのため、線量や回数は、がんの種類や患者さんの状態を精査した上で決定されます。

画像上のがんが消えても安心できない

治療の成果、つまり「がんが消えたかどうか」は画像上で判断するほかありません。
身体にメスを入れてから肉眼で確認するわけにはいきませんよね。

治療の結果はまず画像診断

早期がんであっても、進行がんであっても、がんの消失の確認は、画像診断装置(PET/CTなど)の画像で確認されます。

画像診断でがんの消失が確認されたら、もう安心なのか?
そうとは言い切れないのが、がんの怖いところです。

もちろん、画像診断後、定期健診へ移行して、治療を終える医療機関もあります。これ自体に問題があるわけではありません。

ですが、がんの大きくて怖いリスクの一つ「再発」を懸念するのであれば、画像上のがんが消失した後でも治療を続けてほしい、と思っています。
再発、あるいは再々発するごとに、がんの治療は難しくなります。そのため、できる限り再発は防ぐべきなのです。

いくら画像診断技術が進歩しても、検知可能限界以下の小さながんは画像には写りません。画像に写らない小さいがんは、どうあっても発見できないということです。

画像に写らない小さながんが体内に残っている場合、その小さながんから血液の中にがん細胞が漏れていることがあります。

こうしたがん細胞は「CTC」といい、日本語では「末梢血浮遊がん細胞」や「血中循環がん細胞」と翻訳されます。

CTCが血中にあれば、再発や転移のリスクがあるということです。
しかし、先ほど述べたように、小さながん、ましてや血中を漂うがん細胞を画像で発見することはできません。
では、どうやってCTCの有無をはかるのでしょうか?

画像に写らないがん細胞は血液検査で発見する

実は、血中のCTCは「テロメスキャン」という簡単な血液検査でその有無が判断できるのです。
たった9mlの血液でCTCの陰性・陽性がわかります。

CTCが陽性と診断されたときは、それに応じた治療を行います。

そしてCTC陰性と診断、つまりCTCが発見されなければ、今度こそ一安心です。
まだまだ限られた病院での対応ですが、このアフターケアが全国の病院に広がることを願っています。

CTC陰性なら一生何もしなくていいのか?

CTCが陰性なら、治療は終了と言いました。

画像上でがんは消滅し、テロメスキャンの結果もCTC陰性――。
「がんが消えた!見えないがんもない!もう大丈夫だ!」
誰でもこう思いますね。がんの不安から解放され、未来が明るく見えると思います。

ですが、油断は禁物です。

画像上でがんが消え、CTCが陰性だからと言って、「絶対に」がんが再発しないとは言い切れないのが現実です。

がん治療は健診などフォローも重要

そのために必要なのが、定期的なフォローです。

医療機関によってフォローの内容や方針は異なります。
1年に1回の定期健診を推奨しているところが多いでしょうか。
しかし、なかには一歩踏み込んだ再発予防に取り組んでいる医療機関もあります。

たとえば、がん消失後のテロメスキャンやその後の治療に積極的に取り組んでいる宇都宮セントラルクリニックでは、治療終了後、1年に1回のPET/CTによる画像診断とテロメスキャン検査を、そしてそれに加えて2か月に1回の「6種免疫細胞療法」をお勧めしています。

医療機関によって推奨する方法は異なります。
気になる方はぜひご自身の考えに合う、信頼できる医療機関を探してみてください。

まとめ

がん治療は、医療機関や担当医師の方針、技術、考えによってさまざまなパターンが考えられます。

とはいえ、実際に治療を受けてみるまで、その医師や治療法と、患者さんが「合う」かどうかは判断できませんよね。

がん治療を受ける医療機関を探すとき、事前の調査と、セカンドオピニオン、この二つを大切にしてほしいと思います。

がん治療一覧へ