セカンドオピニオンのやり方とは?準備するものや手順など解説

がん治療のセカンドオピニオンNIDCのサイトメニュー

103

セカンドオピニオンのやり方とは?準備するものや手順など解説

セカンドオピニオンのやり方とは?準備するものや手順など解説

近年、セカンドオピニオンは患者の権利として広く知られるようになってきました。主治医以外の意見を聞くことは、病気や治療に納得して向き合っていくうえで有意義なことです。

しかし、実際にセカンドオピニオンを受けたくても、準備しなければならないことや手順など、やり方がわからないという方も多いのではないのでしょうか。

本記事では、セカンドオピニオンのやり方について詳しく解説していきます。

メリット・デメリットから医療機関の探し方、費用についても説明していきますので、セカンドオピニオンを検討されている方はぜひ参考にしてください。

セカンドオピニオンとは

セカンドオピニオンとは

セカンドオピニオンとは、文字どおり「第2の意見」を聞くことを指します。

具体的には、患者自身や患者の家族が最善と考える治療を選択するために、主治医以外の医師に病気の診断や治療方法について意見を求めることです。一方で、主治医の意見のことをファーストオピニオン(第1の意見)と呼ぶことがあります。

セカンドオピニオンは、現在の主治医とは異なる視点からの意見を求めるもので、転院やほかの医療機関での治療を目的とはしません。また、自分が理想とする治療方法を求めて次々と医療機関を受診するドクターショッピングとも異なります。

セカンドオピニオンのメリット

セカンドオピニオンのメリット

ここからは、セカンドオピニオンを受けることのメリットについて紹介していきます。

自分の病気や治療への理解が深まる

主治医とは違う視点からの意見を聞くことで、自分の病気や治療方法に対してより深く理解することができます。もし、セカンドオピニオンの意見が主治医と一致していたとしても、あらためて自分の病気に向き合うきっかけになるでしょう。

より効果的な治療方法について検討できる

自分の病気に対する治療を専門とする医師にセカンドオピニオンを求めることで、より効果的な治療方法の提案を得られる可能性があります。

たとえば「がん」の場合、手術・放射線治療・抗がん剤治療(化学療法)が標準治療として多く用いられていますが、近年では免疫療法をはじめとして、さまざまな治療方法の効果が報告されています。標準治療を続けることに限界や疑問を感じている人は、これらの治療を専門とする医師のセカンドオピニオンを受けることで、新たな可能性が生まれるかもしれません。

治療の選択の幅が広がる

セカンドオピニオンによって現在とは違う治療方法を提案されれば、それだけ治療の選択肢も増えます。また、医師の治療方針だけではなく、その医療機関の有する設備によっても受けられる治療が異なる場合があります。もし、セカンドオピニオンを受ける病院やクリニックが最新の医療機器を導入していれば、新たな治療方法が提示されることも考えられます。

納得して治療に臨める

セカンドオピニオンで治療の選択肢が増えれば、自分自身が納得して治療を受けられる可能性も高くなるでしょう。また、セカンドオピニオンで新たな意見が得られなかったとしても、違う医師がそれぞれ同じ治療方法を支持していると考えれば、同じように納得して治療に臨むことができます。

セカンドオピニオンのデメリット

セカンドオピニオンのデメリット

セカンドオピニオンにはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。ここでは、セカンドオピニオンのデメリットについて説明していきます。

時間や手間がかかる

セカンドオピニオンを受けるためには、自分の希望する条件にあった病院やクリニックを探したり、主治医の同意を得て紹介状や検査データを入手したりと、正しい手順に沿ったやり方でさまざまな事前準備をしなければなりません。また、受診する医療機関が遠方の場合は、移動にも時間や費用がかかります。あらかじめ、普通に外来を受診するよりも時間や手間がかかることを理解しておきましょう。

治療開始が遅くなる

セカンドオピニオンの意見を聞いてから治療方法を決定することになるため、必然的に治療を始めるタイミングが遅くなります。

特に注意が必要なのは、進行性のがんのように少しでも早く治療を開始したほうがよいケースです。いくつものセカンドオピニオン外来を受診していると、病気が進行してしまう恐れがあるため期限を設けて決断することが大切です。

費用の負担が増える

セカンドオピニオンは検査や治療などの医療行為をともなわないため、自由診療扱いになります。保険適用外で全額自己負担となるため、かかる費用を考慮して受診することが必要です。医療費控除の対象ではありますが、複数の医療機関でセカンドオピニオンを受ける場合、まとまった費用が必要となります。

セカンドオピニオンを受けられないケース

セカンドオピニオンを受けられないケース

ここでは、セカンドオピニオンの対象外となるケースを紹介していきます。

医療費・医療給付の相談

セカンドオピニオンでは、医療費や医療給付に関する相談をすることはできません。医療費については、病院の担当窓口、または加入している医療保険の担当部門に相談しましょう。

医療訴訟などに関する相談

医療訴訟で利用する情報を得ることが目的の場合、セカンドオピニオンを受けることはできません。同じように、医療過誤などの相談も対象外となります。

亡くなった方を対象にした相談

すでに亡くなった方の死因や治療についての相談は、セカンドオピニオンでは受け付けていません。

主治医の承諾がない場合

主治医からの承諾がなければ、セカンドオピニオンに必要な紹介状や検査結果を入手することができません。セカンドオピニオンを受けるには、主治医の承諾が必要であることを理解しておきましょう。

セカンドオピニオンのやり方

セカンドオピニオンのやり方

ここからは、セカンドオピニオンのやり方について、事前準備や手順など、詳しく解説していきます。

主治医にセカンドオピニオンを希望していることを伝える

はじめに、主治医にセカンドオピニオンを受けたい旨を伝えます。「セカンドオピニオンを希望しますので、〇〇病院(◯◯先生)への紹介状をお願いします。」などシンプルな伝え方で良いでしょう。

自分の病気や治療に対する疑問や不安、どうしてセカンドオピニオンを受けたいのかを理解してもらうことが大切です。主治医に話しにくいと思われる方も多いようですが、がんなどの病気ではセカンドオピニオンが当たり前のことになりつつあります。主治医から否定されるようなことはほとんどありませんので、必ず相談してください。

セカンドオピニオンをおこなっている医療機関を探す

主治医の承諾を得たら、セカンドオピニオンを受けることができる病院やクリニックを探します。自分の条件に合う受診先が決まったら、予約の方法・必要な書類や検査データ・費用など、詳細について確認しましょう。医療機関の探し方については、後ほど詳しく説明します。

主治医から紹介状や検査データを入手する

受診する医療機関が決まったら、主治医に紹介状(診療情報提供書)と、CT・MRIなどの画像診断のデータをはじめとした検査の結果を準備してもらいます。これらの書類やデータを用意するのには時間がかかる場合もあるため、いつまでに入手可能か、前もって確認しておくと安心です。

セカンドオピニオン外来の予約をする

紹介状や検査データなどの受診に必要なものが手元に揃ったら、医療機関に連絡をしてセカンドオピニオン外来の予約手続きをおこないます。スムーズに受診ができるよう、当日持参する書類やデータ・相談時間について、再度確認しておくことをおすすめします。

結果を主治医に報告する

セカンドオピニオンの受診後、主治医に相談の内容や提案された治療方法について報告をします。主治医とセカンドオピニオンの意見に相違があった場合は、あらためて今後の治療方針について検討することが必要となります。セカンドオピニオンの受診時には相談の内容をメモに取っておき、主治医への報告をする前に内容をまとめておくとよいでしょう。

転院する場合

セカンドオピニオンの内容を踏まえて主治医と検討した結果、転院を希望する場合は引継ぎの依頼をします。転院時は、セカンドオピニオン受診するときと同じように、主治医が用意する紹介状と各種検査データを持参することになります。

セカンドオピニオンを受ける医療機関の探し方

セカンドオピニオンを受ける医療機関の探し方

セカンドオピニオン外来を設けている病院やクリニックは、年々増加傾向にあります。

選択肢が増えるのは良いことではありますが、そのなかから自分に合ったセカンドオピニオンを選ぶのは難しいと感じている方もいらっしゃるでしょう。

ここからは、セカンドオピニオンのやり方のなかでも大きなポイントとなる、病院やクリニックなどの医療機関の探し方を紹介していきます。

主治医に紹介してもらう

主治医からセカンドオピニオンの承諾を得るときに、あわせて医療機関を紹介してもらうのもひとつの方法です。通院している病院が大学病院や地域の基幹病院と連携している場合、セカンドオピニオンに必要な情報のやり取りを含め、スムーズに紹介してもらうことができます。

インターネットや本の情報から探す

現在では、インターネットや本からさまざまな医療情報を収集することができます。

たとえば、検索エンジンで「セカンドオピニオン 外来 ○○(地域名)」と検索すれば、受診先の候補となる医療機関を見つけることができるでしょう。

また、がんの場合は、がん診療連携拠点病院に「がん相談支援センター」が設置されており、その地域でセカンドオピニオンをおこなっている病院やクリニックを紹介してもらうことができます。

民間の医療サービスを利用する

民間の保険会社の医療保険やがん保険のなかには、セカンドオピニオンを受診できるサービスが含まれているものがあります。契約している保険がある場合は、サービス内容をチェックしてみましょう。また、セカンドオピニオンに関する相談に対応して、医師や医療機関の手配をおこなっている民間の医療サービス会社もあります。

セカンドオピニオンにかかる費用

セカンドオピニオンにかかる費用

前述のとおり、治療や検査などの医療行為をともなわないセカンドオピニオンは、保険が適用されません。そのため、費用も自由診療扱いで全額自己負担となります。

セカンドオピニオンの費用は医療機関によって異なりますが、30分の相談時間で10,000円から30,000円が目安になります。また、セカンドオピニオン受診の費用のほかに、紹介状や検査データの作成にも費用がかかります。紹介状は1通5,000円程度ですが、これには保険が適用されます。

セカンドオピニオンのやり方のポイント

セカンドオピニオンのやり方のポイント

最後に、セカンドオピニオンのやり方のポイントについて紹介していきます。

主治医の意見(ファーストオピニオン)を理解する

セカンドオピニオンを受ける際には、主治医の診断や治療方針を十分に理解しておくことが重要です。主治医の意見を理解できないままでは、ほかの医師の話を聞いてもかえって混乱してしまう可能性があります。主治医が自分の病状をどう判断しているか、なぜその治療方法を選んだのか、よく話を聞いて理解しておきましょう。

主治医に言わずに受けない

主治医に「ほかの医師の意見を聞きたい」と伝えるのは、確かに難しいことかもしれません。しかし、なにも言わずにセカンドオピニオンを受けることで、主治医との信頼関係が失われる恐れがあります。

冒頭でも説明したとおり、セカンドオピニオンは患者に認められた権利です。なぜセカンドオピニオンを受けたいのか、自分の意思をしっかりと主治医に伝えましょう。

セカンドオピニオンで伝えたいこと・聞きたいことをまとめておく

セカンドオピニオン外来での相談時間は限られています。当日、「本当に聞きたかったことが聞けなかった」ということがないように、前もって伝えたいことや質問したいことをメモにまとめておくとよいでしょう。

はじめて会う医師に自分の病状を説明したり、意見を求めたりするのは想像以上に難しいものです。相談時間を最大限に生かすためにも、しっかりと準備をして臨んでください。

家族に同席してもらう

セカンドオピニオンを受けるときには、家族や信頼できる知人に同席してもらうとよいでしょう。自分で説明がうまくできない場合や、医師からの質問に対する答えにつまってしまったときなど、フォローしてもらうことができます。また、身近な人が付き添うことで、安心して受診することができます。

最終的な病院・治療の選択は自分でする

セカンドオピニオンのやり方でもっとも重要なポイントは、「最終的な選択は自分でする」ということです。自分で決断したことであれば、つらい治療にも前向きに臨むことができるからです。

セカンドオピニオンの意見が主治医とは違った場合、あらためて主治医と治療方法について検討することになります。家族に相談することもあるかもしれませんが、最終的には自分で決断しなければならないことを理解しておきましょう。

まとめ

セカンドオピニオンのやり方について詳しく解説

本記事では、セカンドオピニオンのやり方について詳しく解説してきました。

セカンドオピニオンは患者に与えられた権利として広く認知されつつありますが、さまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。しかし、セカンドオピニオンは自分にとってもっとも良い治療方法を選択する手段のひとつであり、病気に対する理解を深め、治療に向き合っていくきっかけにもなります。

セカンドオピニオンの受診に踏み出せずにいるという方は、この記事の内容を参考に、ご自身やご家族のセカンドオピニオンについてもう一度前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

佐藤俊彦医師によるセカンドオピニオンをご希望の方は、お電話・もしくは当サイトのお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。

がん治療一覧へ