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佐藤俊彦著 新刊『一生病気にならない「免疫力のスイッチ」』のご紹介

毎月当コラムで最新のがん医療を解説してくださる佐藤俊彦先生が、2月21日に新刊『一生病気にならない「免疫力のスイッチ」』(PHP研究所)を上梓されました。

本書では、当コラムでもたびたびご紹介してきた「免疫力」の重要性、そして免疫力を高める方法について詳しく解説されており、将来的に「人は病気では死なず、老いない時代が来る」という前提のもと、本書では免疫力向上の重要性に焦点を当てています。

そこで今回は、『一生病気にならない「免疫力のスイッチ」』について詳しくご紹介するとともに、佐藤先生に本書のテーマでもある「老いない時代」についてお話を伺いしました。

『一生病気にならない「免疫力のスイッチ」』(PHP研究所刊)

『一生病気にならない「免疫力のスイッチ」』(PHP研究所刊)
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『一生病気にならない「免疫力のスイッチ」』概要

人は病気では死なず、老いない時代が来る。
これからは〝脳を元気に保つ〞生き方がもっとも重要になってくる。
この本では、まず、私たちの脳や体を病気から守る免疫のしくみについて解説。また、今、一番の不安要因である新型コロナウイルスと免疫との関係についても、最新のデータを示してお伝えする。
「睡眠」「食生活」「サプリメント」「入浴法」…。長年、予防医療に力を注いできた現場の医師が提案する新しいライフスタイル。
ウイルスや活性酸素に負けない「免疫力」のつくり方、取り入れたい生活習慣とは。
さらに今話題のCBDの驚異的な力、安全性を徹底解説する。

(本書概要より)

著者について

佐藤俊彦先生

佐藤俊彦(さとう としひこ)
1960年福島県出身。
85年福島県立医科大学卒業、同大学放射線科入局。日本医科大学付属第一病院、獨協医科大学病院、鶯谷病院での勤務を経て、97年に宇都宮セントラルクリニックを開院。

最新の医療機器やAI(人工知能)をいち早く取り入れ、「画像診断」によるがんの超早期発見に注力。2003年には、栃木県内で初めてPET装置を導入すると同時に、県内初の会員制のメディカル倶楽部を立ち上げた。

23年春には東京世田谷でも同様の画像診断センター「セントラルクリニック世田谷」がオープンし、メディカルクラブの会員の顧問医として総合的な健康管理を進める。

健康寿命100年を目指して医師が監修するヘルスケア商品を製造販売する株式会社BodyVoice顧問。高齢化社会における相続トラブル回避のための、認知症の早期診断や画像鑑定による医療・交通事故などの死因究明や後遺障害認定評価をサポートするメディカルリサーチ株式会社の顧問も兼任。

著書に『ステージ4でもあきらめない最新がん治療』(幻冬舎)など多数。

佐藤先生 『一生病気にならない「免疫力のスイッチ」』出版インタビュー

——この度は、『一生病気にならない「免疫力のスイッチ」』の出版、おめでとうございます。

佐藤 ありがとうございます。1月に発売になった私の前著『画像が語る 診えない真実』(時事通信社刊)に続くものとなります。多くの方にぜひ手に取っていただきたいと思っています。

——さっそくですが、今回、免疫力の本を執筆したきっかけをお教えください。

佐藤 コロナ禍以降、免疫力が注目されていますが、私はこれからの未来は「脳を元気に保つことが大切」になると考えています。そのためには、脳を守るために免疫力を高めることが、なにより大切なことだと思ったからです。

——未来に向けて、脳を守るために免疫力を高めるということですね。

佐藤 そうです。まさに、未来においては「脳を元気に保つ」生き方が非常に重要になります。科学技術の進歩により、これからの時代は人間の身体能力、認知能力、知覚能力を最高水準まで拡張できる未来が訪れるでしょう。

そして、ロボットや3D映像を利用した「サイバネティック・アバター」によって、自分自身の代わりとして日常生活を送れる時代が来ます。

例えば、体の不自由な方でも、サイバネティック・アバターの活用により、自由に買い物や海外旅行を楽しむことが可能となるでしょう。

つまり身体的な制約から解放された「老いない時代」が訪れます。

——SF映画のような世界ですね。

佐藤 そうですね。SF映画のような絵空事みたいにお感じの方もいらっしゃると思います。ですが、これは実際に内閣政府が推進しているれっきとした研究開発プロジェクトです。

内閣府が進める「ムーンショット型研究開発制度」は、日本政府が支援する革新的なプロジェクトで、国全体が協力して新技術やサービスを創出することを目指しています。

「ムーンショット」とは、アポロ計画におけるアメリカの月面着陸を指す言葉で、そのような野心的な目標を達成するために、国家が一丸となって取り組むことを意味しています。

日本のムーンショット目標は、国家戦略特区諮問会議で提案されたプロジェクトで、多様な分野での技術革新を促進し、経済成長や社会課題の解決につなげることを目指しています。

具体的には、人工知能、バイオテクノロジー、環境技術、エネルギー、宇宙開発などの分野で、国内外の研究機関や企業と協力して、新たな技術やサービスを開発し、実用化を目指しています。

「ムーンショット目標1 2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」

画像引用:内閣府公式ホームページ「ムーンショット目標1 2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」より

ムーンショット目標の中で、最初に掲げられているのは、「誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター基盤」です。これにより、次世代のヘルスケアとしての「サイバネティック・アバター」を活用した生活が実現されます。

サイバネティック・アバター生活が目指す要点は、以下の2つです。

  • 2050年までに、望む人は誰でも身体的能力、認知能力及び知覚能力をトップレベルまで拡張できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を普及させる。
  • 2030年までに、望む人は誰でも特定のタスクに対して、身体的能力、認知能力及び知覚能力を強化できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を提案する。

サイバネティック・アバターによる人の能力拡張を通じて、若者から高齢者まで、さまざまな年齢層や背景、価値観を持つ人々が多様なライフスタイルを追求できる社会が間もなく訪れます。

参照:内閣府公式ホームページ「ムーンショット型研究開発制度」

——2050年、つまり30年後ですね。

佐藤 30年後というと、遠い未来のように感じるかもしれませんが、実際には民間企業がすでに取り組みを始めており、現実的な話です。

例えば、NTTドコモは2030年の6Gサービス開始を目指しており、その中で「人間拡張基盤™」という身体能力の拡張にも取り組んでいます。

人間拡張とは、センサーを使って取得した人の動きや感覚を、遠隔地にいる人が装着したデバイスやロボットと共有し、同じ動作を再現する技術です。例えば、上手なピアノ演奏者のスキルを伝送することで、ピアノが苦手な人も演奏できるようになるといった具合です。

IoT(Internet of Things)では、物がインターネットに接続されることで遠隔地から自宅の電気をつけたり、お風呂を沸かすことが可能となりました。次のステップとして、IoB(Internet of Bodies)が登場し、体とインターネットが繋がることで健康管理や運動をモニターできたり、技術を共有できる時代が訪れます。

出典:Forbes JAPAN「NTTドコモが6G時代を見据え開発を進める「人間拡張基盤™」が世界を変えていく」

30年後には、そんな時代が訪れます。30年後と言えば、現在働き盛りの30代、40代、50代の方々が、還暦、古希、傘寿を迎える頃です。その時に、脳が衰えてしまっていたら、身体能力の拡張といった恩恵を受けることができません。

そこで、私の著書では、長年予防医療に力を注いできた医師の視点から、皆さんが次世代のライフスタイルを満喫できるように、今から免疫力を高める方法について執筆しました。

——『一生病気にならない「免疫力のスイッチ」』では、具体的にどのようなことが書かれているのでしょうか。

佐藤 拙書では、免疫力をあらゆる側面から分析した7つの章から構成されています。

第1章 免疫力は人間のガードマン
第2章 本当に怖いコロナ禍は10年後にやってくる
第3章 CBDが新型コロナウイルスの増殖を抑える
第4章 CBDには安眠・リラックス効果がある
第5章 ココナッツオイルのようにコーヒーや紅茶に混ぜて飲もう
第6章 CBDの不安や誤解をなくすQ&A
第7章 免疫に好かれる習慣
参照:一生病気にならない「免疫力のスイッチ」目次より

それぞれの章についてご説明しましょう。

第1章 免疫力は人間のガードマン

第1章では、そもそも免疫力とはどのようなものか、また、どのような働きをするのかをわかりやすく解説しています。がんになる人と、ならない人を分けることに深く関わる酵素「SOD(スーパーオキシド・ディスムターゼ)」について、実は免疫細胞の7割が腸内にあることなどについて、など詳しく解説します。

第2章 本当に怖いコロナ禍は10年後にやってくる

第2章では、いま皆さんの健康において、もっとも不安に感じていらっしゃるであろう、コロナワクチンと免疫の関係について、海外の最新のデータを基に解説しています。

第3章 CBDが新型コロナウイルスの増殖を抑える

第3章では、コロナウイルスの脅威を抑える成分として、世界的に注目を浴びている大麻植物由来のCBD(カンナビジオール:Cannabidiol)について解説しています。

欧米では、新型コロナウイルスが蔓延する直前から、健康・美容業界でCBDブームが起こっています。その理由は、CBDが免疫機能を向上させ、心身をリラックスさせる抗不安効果を持っているためです。

日本では、大麻植物由来ということで抵抗を感じる方が多くいます。そこで、拙著では、医師の視点から、CBDの副作用がないことや、細胞の老化を遅らせる効果など、日本ではまだ知られていないCBDの情報について詳しく説明しています。

第4章 CBDには安眠・リラックス効果がある

第4章では、CBDの効果が期待できる疾患について解説しています。神経系やリンパ系の疾患において効果が期待されること、高血圧や血糖値の改善に役立つ可能性があることなどを紹介しています。さらに、がん患者に対してCBD摂取がなぜお勧めなのかといった理由も詳しく解説しています。

第5章 ココナッツオイルのようにコーヒーや紅茶に混ぜて飲もう

第5章では、CBDの歴史や欧米での活用方法について詳しく解説しています。大麻が1万年前から日本を含む世界各地で有益に利用されてきたことや、CBDの安全性と効果がWHO(世界保健機構)によっても認められていることなど、興味深い内容になっています。

第6章 CBDの不安や誤解をなくすQ&A

第6章では、CBDに関する誤解や不安を払拭するためのQ&Aをご紹介しています。CBDの有用性に関して説明する際に、読者の皆様から寄せられた質問を網羅しています。ぜひ、参考にしていただき、理解を深めてください。

第7章 免疫に好かれる習慣

第7章では、すぐに取り組める免疫力向上の生活習慣をご紹介しています。免疫力を高めるためには、高額な費用をかける必要はありません。普段の生活スタイルに、紹介された方法を取り入れるだけで、免疫力の向上が期待できます。

『一生病気にならない 免疫力のスイッチ』(PHP研究所刊)
こちらからご購入いただけます(Amazon公式サイト)

——免疫力の向上からCBDによる効果まで、興味深い内容が盛り込まれています。

佐藤 免疫の基本機能から、CBDを利用した免疫力向上の方法までをわかりやすく解説しました。インターネットや書店では、「免疫力を高めれば病気にならない。だから、免疫力を向上させましょう」という主張の書籍や記事が多く見受けられます。特にコロナ禍以降、さまざまな健康法が注目されています。

しかしながら、「免疫力とは何か」という基本的な情報が十分に語られていないと感じました。このため、免疫力を向上させたいと考える方が迷ってしまうこともあるでしょう。

そこで、免疫機能の基本から始めて、免疫力を高める方法やCBDの効果についてまで詳しく説明しました。

——免疫力に関心があり、向上させたいとお考えの方に、ぜひおすすめできる一冊ですね。

佐藤 私の著書は、コロナ禍以降、免疫能力に関する情報が氾濫する中で、予防医療に長く携わってきた現役医師が書いた数少ない本のひとつだと自負しています。

これから人生100年時代という長寿の時代を迎える中で、健康が一番の財産ということは皆さんもご存知もことでしょう。ぜひ、拙書『一生病気にならない「免疫力のスイッチ」』をお読みいただき、ご自身の未来のライフスタイルのための参考にしていただけたら幸いです。

——本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

聞き手

吉田 剛

吉田 剛:1971年、東京生まれ。短大卒業後、大手IT系出版社に就職。編集長を経験したのち、大手ゲーム会社に転職。その後、WEBメディアの編集長、フリーライターを経て、2021年からGIコンサルティングパートナーズのデザイン戦略部にてライターを務める。

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