痛みとがん治療~なぜ放射線治療では痛みや後遺症が少ない?

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痛みとがん治療~なぜ放射線治療では痛みや後遺症が少ない?

「がんにかかると、痛みとの戦いが始まる」というイメージを持っている人も多いと思います。
実際、がん医療においては、「がんの治療による痛みと苦痛は仕方ないもの」として受け入れるしかない、と思われてきました。

しかし最近では、できるだけ痛みや苦痛を和らげ、がん患者が治療に専念できるように進化していることをご存じですか?

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がん患者さんのQOL(クオリティオブライフ)

QOL(クオリティオブライフ)とは、日本語で「生活の質」という意味です。
ただ生きているだけでなく、人間らしい生活を送ること、幸福感を感じることができるかということを図る言葉です。

近年、医療界全体で「患者さんのQOLの確保と向上」が重要視されるようになりました。
がんの治療は他の病気に比べると、長期間の治療が必要になるため、患者さんのQOLが損なわれないように重要視されているのです。

がんの治療は「痛み」が当たり前だった

昔は、がんと診断されたらとにかくがん細胞をなくすのが先決で、まず手術、そして治療と立て続けに治療計画が進められ、がん治療での患者さんの痛みやつらさは我慢しかないという流れでした。
患者さんのQOLなどは後回しだったのです。

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しかし、今は医学の進歩とともにがんの認識は大きく変わり、がんは不治の病でもなく、治療で完治を目指せる病気となっています。
がんの治療も手術だけでなく、痛みの少ないがん治療として放射線治療という選択肢もあります。

欧米では放射線治療が主流に

日本のがん治療ではいまでもまだ「手術ファースト」の考え方が強く広がっており、がんの治療は手術が最善と思い込んでいる方が多いでしょう。
しかし欧米では、放射線治療が最初の治療として考えられることが多くなっています。

がんの手術では、できる限りがん細胞を残さないように、健康な組織も含めて少し大きめに切り取るのが一般的です。

がん細胞を上手く切り取ることができれば、がんの再発はなく健康な体を取り戻せます。
しかし、内蔵や体の組織の一部を切り取られるというのは、人間にとっては大きなダメージになり、もちろん痛みもつきものです。

がんの手術の場合、症状によっては臓器を丸ごと全て摘出する全摘という手術が行われます。
それがどの臓器であっても、臓器が丸ごと一つなくなるというのは、私たちの体にとってはとてつもなく大きなダメージなのです。

しかし放射線治療は、体に大きくメスを入れることもなく、臓器を守りながら治療することができる、体にとって痛みや負担のない治療方法です。

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全摘などの手術に比べて体への負担も大幅に減り、高齢者や体力のない人など様々な理由でがんの摘出手術が受けられない人でも可能な治療法です。

「放射線治療はできないのですが、手術なら可能です」という場面はありませんが「手術はできませんが、放射線治療なら治療ができるかもしれない」という場面は多く、放射線治療は患者さんを選ばない治療法なのです。

痛みや後遺症がほとんどない放射線治療

がんの手術による後遺症で痛みを訴える人は多くいます。

がんの手術後の後遺症は、摘出部分が多く臓器が変形してしまうことや、臓器がそれまでの機能を失いバランスが崩れたことから生じます。
このため、手術の後遺症は一生残るものとなるのです。

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しかし、放射線治療はピンポイント照射で治療していくので、がんのできた臓器でもほぼ機能を維持することができます。
臓器の機能や身体の機能はもちろん、外見上もほぼ変わりません。

放射線治療は、麻酔や薬、注射も必要ありません。ですから、放射線治療による後遺症を心配することはほぼないのです。

放射線治療の中でも、特にピンポイント照射による高度放射線治療は、治療中も治療後も、患者さんのQOLを保ちながらがんを根治するための治療がなされていきます。
放射線治療は、体にも負担なく生活の質も保ち続けられる最適ながん治療法と言えるでしょう。

痛みの少ないがん治療法

日本はまだまだ「がんと言えば早く手術を」という考えが根付いているため、放射線治療においては「延命だけが目的の治療」と思っている人も少なくありません。

また「放射線治療は副作用も多く怖い治療法なのでは」など色々な誤解を持たれていることが多いですが、放射線治療は副作用も少なく、患者さんの体に一番負担が少ないがんの治療法です。

手術だけでなく、放射線治療でもがん根治を目ざすことができる治療法ですし、手術のように体を大きく切り開くこともないので、後遺症もありません。
高度放射線治療は外科手術と同等か、それ以上のポテンシャルを持つがんの治療法なのです。

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高度放射線治療は、がん治療中の患者さんの毎日の暮らしと、がんを根治して通常の生活に戻った際のQOL向上を見据えた治療方針を立てることができる最先端の治療法です。
放射線治療についての正しい認識を持つことは、がん治療において重要なことであり、もっと多くの人に放射線治療について知ってほしいと願っています。

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