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最新がん治療 セカンド・オピニオンを求めて(前編)

最新がん治療 セカンドオピニオン

「主治医はこれしか治療法がないと言うけど、納得いかないな」

「ほかにもっといい治療法があるのでは?」

もし、あなたやご家族が主治医に対してそう思われたのなら、別の医療機関の医師にも意見を求めること、「セカンド・オピニオン(第2の意見)」をおすすめします。

今回は、患者さんが持つ基本的な権利「納得できる治療法を選択すること」を実現するセカンド・オピニオンについて、そして具体的な行動の仕方についてご紹介します。

第2の意見(セカンド・オピニオン)を求めて治療の選択を

がんはどんな治療をするかによって、治療効果や患者さんの予後が大きく変わります。主治医の意見とセカンド・オピニオンのメリットとデメリットを比較検討したうえで、自分にとって最善だと思う治療を選択しましょう。

「医師によってそんなに治療方針が違うものなの?」と思われるかもしれませんが、がん医療の研究が進んでいる今の時代は、より効果の高い新しい治療法を学んで実践している医師と、旧来の方法論に固執する医師では、治療に対する知識量や考え方に大きな違いがあります。

特に最新のがんゲノム医療のひとつである遺伝子検査については、残念ながらほとんど知識のない医師も少なくありません。

患者さんが遺伝子検査を受けて、有効な分子標的薬を判定してから抗がん剤治療を受けたほうが明らかに治療効果が上がりますし、患者さんが副作用で苦しむリスクも抑えられます。

しかし、医師が遺伝子検査についての知識を持っていないと、患者さんに遺伝子検査を受けるという選択肢を示すことすらできません。遺伝子検査に限らず、医師自身が新しい検査方法や治療法を実践していなければ、患者さんに提示できる治療方針もおのずと限られてしまうのです。

「治療をあきらめる」という選択肢はない

「ステージ4で余命が残りわずかです。もうできる治療は何もありません」

そう医師に宣告されたご家族が、「まだあきらめたくない」とセカンド・オピニオンを求めて当院を受診されたことがあります。

その患者さんは、放射線治療、遺伝子検査による分子標的薬の投与、温熱療法、免疫療法を併用しました。その結果、がんの進行が止まり、当院を受診された日から1年経った今もお元気でいらっしゃいます。

ステージ4でもあきらめずにセカンド・オピニオンを求めることで、患者さんとご家族の運命が大きく変わってくるのです。

患者さんの命を簡単にあきらめていいわけがありません。たとえがんが根治できなくても、進行を抑えて患者さんの命を救うことができるなら、決してあきらめず、ベストを尽くすのが医師の使命です。

手術や抗がん剤治療を優先し、放射線治療を活用せず、免疫療法などほかの方法を試そうともしないで、「その治療をやっても効果がありませんよ」「もうできる治療はありません」と決めつける医師は疑うべきです。

もし医師にそう言われても、決してあきらめず、セカンド・オピニオン外来を受診しましょう。セカンド・オピニオンで別の有効な治療法を提示してもらえれば、「こんな新しい治療方法もあったのか!あきらめないでよかった!」と絶望が希望に変わります。

ちなみに、日本のがん治療の成績が改善されないのは、標準治療のみを是としているからです。一方、アメリカでは免疫の向上とQOL重視の治療を実施しているため、その成績は上がっています。

セカンド・オピニオン外来を選ぶポイント

セカンド・オピニオンを受ける際は、医師や医療機関を選ぶうえでいくつかのポイントがあります。

ポイント① 主治医とは別の専門分野の医師に相談する

セカンド・オピニオンは主治医とは別の専門分野の医師に相談されることをおすすめします。なぜなら、医師の専門分野によって治療方針が大きく変わってくるからです。

例えば、外科医は「手術でがんを切除してしまうのが一番手っ取り早いです」と、まず手術を第一にしがちです。しかし、先述の通り放射線治療でがんそのものを小さくしてから手術をしたほうが、メスで切除する部分が少しで済むので、患者さんの身体に負担がかかりません。

放射線治療や抗がん剤治療を併用することで、手術しないでがんを根治できた事例もあります。

ある下咽頭がんの患者さんは、主治医に声帯ごと切除する手術をしないと命が危ないと言われたそうです。声帯を切除して声が出なくなれば、仕事も続けられなくなるとお悩みになり、セカンド・オピニオンで当院を受診されました。

甲状腺がんは放射線の感受性が低いので放射線治療の適用外ですが、頭頸部のがんの場合は放射線治療と抗がん剤治療の併用が非常に有効です。

患者さんがその治療を選択されたことで、声帯を切除することなく下咽頭がんが根治しました。

もしこの患者さんがセカンド・オピニオンを求めず、主治医の方針で手術をしていたなら、今ごろは声を失っておられたのだと思います。

このように、担当医の専門によって、治療方針がまったく異なり、それによって患者さんのその後の人生も大きく違ってくるのです。

もし主治医が外科医なら、セカンド・オピニオンは内科医や放射線科医に求めましょう。

ポイント② セカンド・オピニオン外来を受診する医療機関を選ぶ

セカンド・オピニオン外来を受ける際は、どの医療機関を選ぶかもポイントです。

避けたいのは、主治医のいる病院のセカンド・オピニオン外来を受けることです。 同じ病院内の場合は、たとえセカンド・オピニオン外来であっても、主治医の示した治療方針を支持する可能性が高いので、セカンド・オピニオンを受ける意味がなくなってしまうからです。

ポイント③ 受診する医療機関にどんな検査・治療機器があるか確認する

また、医療機関にどんな検査・治療機器が備わっているかも重要です。 当然ながら、最新の検査・治療機器を備えている医療機関のほうが、治療効果の高い選択肢が増えますから。

例えば、サイバーナイフやトモセラピーは、がん細胞をピンポイントで照射して根治することも可能な高精度放射線治療機器ですが、こうした機器を備えていない病院では、「放射線治療は効果がありません。当院にはあなたに合う治療がありません」と患者さんに説明することが少なくありません。

しかし、実際は放射線治療に効果がないわけでも、治療方法がほかにないわけでもありません。その病院では機器がないから、それ以上の治療ができないだけです。高精度放射線治療機器のサイバーナイフやトモセラピーを備えている医療機関なら、「手術できない進行がんでも高精度放射線治療で治療できますよ」と、放射線による有効な治療方針を患者さんに提示できます。

セカンド・オピニオン外来を受診する際は、医療機関のホームページでどんな検査・治療機器が導入されているのかについても確認することが大切です。

セカンド・オピニオンを受ける際に必要なこと

「まるで主治医を信用していないみたいで、言い出しにくい」

「主治医に拒絶されたらどうしよう」

セカンド・オピニオンを検討されている方の中には、主治医に対してこうした懸念をされている方もいらっしゃると思います。しかし、患者さんがセカンド・オピニオンを受けることは、主治医に対して失礼なことではありません。患者さんにはセカンド・オピニオンを受ける権利があるので、医師がそれを拒絶することもありません。

最も大切なのは、患者さん自身の命であり身体なのですから、主治医に遠慮して、ほかの治療方法をあきらめる必要はないのです。

「先生の治療方針はよく理解していますが、大切な命にかかわることなので、セカンド・オピニオンも聞いて、納得したうえで治療を受けたいのです」そう言って、主治医にセカンド・オピニオンの希望を伝えましょう。

セカンド・オピニオン外来を受診する際は、必ず主治医の紹介状(診療情報提供書)が必要になります。紹介状の形式に特に規定はなく、紹介状の作成費用には保険が適用されます。

また、それまで受けた病理検査や血液検査の結果、PET、MRI、エコーなどの画像データもあると、セカンド・オピニオンでの診断がよりスムーズになります。これも主治医に依頼して用意してもらいましょう。

主治医の紹介状や診断情報を手に入れたら、できるだけ早くセカンド・オピニオンに相談に行きましょう。特に進行がんの患者さんの場合は、先延ばしにすると、その間にもがんが進行してしまう危険性がありますから。

セカンド・オピニオンを受けられる前には、あらかじめ医師に質問したいことや自分の希望、なぜセカンド・オピニオンを選んだのかといったことをきちんと整理して書き出しておくといいです。

セカンド・オピニオン外来を受診する際に患者さんひとりだけでは不安な場合は、信頼できる人にも同行してもらうようにしましょう。主治医の紹介状と患者さんの同意書があれば、患者さんご本人だけでなく、ご家族が代理でセカンド・オピニオン外来を受診することもできます。

主治医との関係も良好に

主治医以外にセカンド・オピニオンを受けられる際に、気を付けていただきたいことがあります。それは、主治医との関係性を壊さないということです。セカンド・オピニオンを受けるということは、主治医と完全に訣別するということではないからです。

ただ、セカンド・オピニオンを受診される患者さんの中には、主治医の治療方針に対してネガティブな感情を抱いていらっしゃることが少なくありません。医師も患者さんも人間ですから、相性のよしあしもあるでしょう。

しかし、先述の通り、主治医には紹介状を書いてもらったり、診断情報の提供を依頼したりするなど、協力していただく必要があります。特に進行がんの患者さんは症状が変化しやすいので、セカンド・オピニオンの治療を選択しても、主治医との連携が必要になったり、いざというときに主治医の医療機関にお世話になったりすることもあります。

セカンド・オピニオンを受けたら、主治医にもその結果を伝えましょう。そのうえで最善だと納得できる治療を選んでください。

まとめ

繰り返しになりますが、セカンド・オピニオンはすべての患者さんが持つ基本的な権利です。患者さんご自身、ひいてはご家族皆さんのために、ここまでに挙げさせていただい内容を参考に、最良の第2の意見を導き出していただけたら幸いです。

【監修】
佐藤俊彦 医師
医療法人 DIC
宇都宮セントラルクリニック 理事

出典:佐藤俊彦『ステージ4でもあきらめない 最新がん治療』(幻冬舎、2022/2/24)

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