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【最新がん治療】セカンド・オピニオンをもとめて(後編)

「標準治療しか手段はありません」

「標準治療以外の治療は効果がありませんよ」

もし、主治医にそう言われても治療方針に納得いかなければ、あきらめずにセカンド・オピニオン(第2の意見)外来を受診しましょう。

今回も前回に引き続き、患者さんが持つ基本的な権利「納得できる治療法を選択すること」を実現するセカンド・オピニオンについて、そして具体的な行動の仕方についてご紹介します。

こちらの記事を合わせてお読みいただけけると、よりセカンド・オピニオンについての理解を深めていただくことができます。

関連記事:最新がん治療セカンド・オピニオンを求めて(前編)

最新がん治療 セカンドオピニオン

病期の再診断「リ・ステージング」には画像診断が不可欠

セカンド・オピニオン外来を受診すると、今の病期(ステージ)を再診断する「リ・ステージング」が行われ、その結果によって、治療方針や治療計画が作られます。

リ・ステージングを行うには、画像による診断が不可欠です。通常は患者さんの診療情報や画像診断検査のデータ、もしくはフィルムをもとにリ・ステージングが行われます。「手術や抗がん剤治療をしたけれど、その後の転移・再発が不安」という方は、画像診断機器が豊富に備わっている医療機関にセカンド・オピニオンを求めましょう。

通常、医療機関でがんの診療を行う際は、「がんの予防(あるいは再発予防)」→「精密検査」→「診断」→「手術などの治療」→「術後評価」という手順で行われます。

しかし、術後評価については十分な画像検査や経過観察が行われていない医療機関が少なくないのが現状です。「手術でがんが完全になくなったのかな?」「再発の心配はないのかな?」主治医の術後評価に対してそんな不安を感じる方は、PETのある医療機関に精密な画像診断を依頼しましょう。

リ・ステージングを支える画像診断技術の種類について

当院の場合は、リ・ステージングの画像診断として、CT、MRI、PET、3Dマンモグラフィ「トモシンセシス」などの検査によって全身のがんの状態を明らかにし、患者さんのQOL(※)を落とさない治療をご提案しています。

※QOL:QualityofLife(クオリティ・オブ・ライフ)の略です。人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指します。

CT(コンピュータ断層撮影法)

エックス線を使用して体の断面をスキャンして撮影する検査機器CT(コンピュータ断層撮影法)は、主に肺がんを見つけるのに適しています。また、造影剤などを使用してすい臓がんや肝臓がんの検査も可能です。

MRI(磁気共鳴画像法)

強力な磁場によって身体の断面図を撮影する検査機器MRI(磁気共鳴画像法)は、ほぼ全身の検査ができます。縦横斜めなどの画像から立体画像も得られるので、CTだけではわからない角度の画像も確認できます。

頭部は動脈瘤や脳腫瘍、子宮がんや前立腺がん、すい臓がん、肝臓がんなどの検査も可能です。造影剤などを用いて下腹部の検査もできます。

PET

PETは、微量の放射性薬剤を使用して全身の検査をする検査機器です。 がんや炎症に集まるFDG(糖分のグルコースによく似た薬剤)を利用して、肺がんや大腸がん、乳がん、甲状腺がんなどさまざまな固形がんのほか、血液のがんの悪性リンパ腫を見つけることができます。

3Dマンモグラフィ「トモシンセシス」

3Dマンモグラフィ「トモシンセシス」は、乳がんの検査に使用する機器です。通常のマンモグラフィよりも圧迫痛や被ばく量が少なく、検査技師の技量にかかわらずより精度の高い画像を撮影できます。最新のトモシンセシスなら5ミリ程度の小さながんも発見できます。

セカンド・オピニオン外来でこうした画像検査を受けたら、その画像情報も必ずCD-ROMなどのデータとしてもらうようにしましょう。そうしたデータがあると、別のセカンド・オピニオンを受けるときや、がんが再発・転移したときの診断材料になります。

遠隔診療でセカンド・オピニオン

「遠方に住んでいるから通院が大変」

「家族が忙しくて、病院への送迎が頼めない」

そんな方にはインターネットを利用したオンライン診療によるセカンド・オピニオンがおすすめです。オンライン診療なら、自宅や職場などに居ながらにして診察を受けられます。通院する必要がないので、体力的な負担や交通費、待ち時間などのストレスからも解放されます。

宇都宮セントラルクリニックのオンライン診療の場合、対面診察を受けて医師が可能と判断した患者さんはもちろん、診療科によっては初診でもオンライン受診が可能です。

予約は専用アプリ「CLINICS(クリニクス)」で24時間受け付けています。ご希望の日時に予約を入れていただき、予約時間が来たらパソコンやスマートフォンを通じてビデオ通話で専門医による診察が受けられます。がん治療のセカンド・オピニオンの場合は、診察までにそれまで受けられた検査のデータや画像、診療情報提供書などを当院までお送りいただくことが必要になります。

診療内容によって費用は多少前後しますが、オンライン診療の費用の目安は、予約料5000円+診察料と画像診断料3万円となります。お支払いはアプリに登録したクレジットカードでキャッシュレス決済できます。

処方箋が必要な場合は、郵送でご自宅にお届けします。その処方箋をお近くの調剤薬局にお持ちいただくと、薬を購入できる仕組みです。

ドクターショッピングや根拠のない民間療法にご注意を

もしセカンド・オピニオンを受診しても治療方針に納得できなければ、第3の意見を求めて「サード・オピニオン」を受診する手もあります。

「あまりいろいろな意見を聞くと、混乱するのでは?」と思われるかもしれませんが、治療の選択肢が限られていると「ほかにもっといい方法があるのでは……?」と疑心暗鬼になりがちです。迷いがあるまま治療に臨むのは精神的にも厳しいものがありますし、治療後に後悔することにもなりかねません。

セカンド・オピニオンに限らず複数の意見を比較検討することで、心から納得できる治療法を選択しましょう。

ただし、受診する医療機関を次々に乗り換えることを「ドクターショッピング」といい、度を超えるとかえって迷ってしまって、その間にがんがどんどん進行してしまう危険性があります。必要以上に数多くの意見を聞くのではなく、より質の高い治療効果が望める治療方針を見極めることが大切です。

また、がん治療の中には、科学的根拠のない民間療法も数多く存在します。特にインターネット上にはエセがん治療情報があふれています。がん患者さんの中には、そうした民間療法に頼ってしまい、その間にがんがどんどん進行して手遅れになってしまう方もいらっしゃいます。

例えばアップル社の創業者である故スティーブ・ジョブズも、すい臓の神経内分泌腫瘍という珍しく進行の遅いがんと診断されましたが、約9カ月もの間、手術や抗がん剤治療、放射線治療を拒絶し、さまざまな民間療法に頼っていたそうです。その結果、すい臓がんが転移したと言われており、56歳の若さで亡くなりました。がんになると精神的にもダメージを受けるので、冷静な判断ができなくなり、ジョブズのように非科学的な方法にすがってしまうことが少なからずあるのです。

しかし、がんは適切な治療をせずに放置しておくとどんどん進行するので、気が付いたときにはもう後悔してもしきれない状態になっていることが多々あります。民間療法を全否定するつもりはありませんが、主治医の治療方針に納得がいかないからといって、民間療法だけに頼るのはリスキーです。どの治療法が最も適切なのかを比較検討するためにも、セカンド・オピニオンを受けましょう。

まとめ

当クリニックにセカンド・オピニオンを求めて来院される多くの患者さんたちから、病院や治療の選択ミスを悔やむ声をよく耳にします。私は30年以上にわたり最先端のがん医療に携わってきましたが、決して、がん患者さんに後悔させたくありません。

今回ご紹介させていただいたセカンド・オピニオンの情報が、セカンド・オピニオンを求める一歩を踏み出すきっかけとなり、ひとりでも多くのがんと戦う患者さん、そしてご家族にとって最良の治療法と出会いの手助けとなることを願っております。

セカンド・オピニオンの詳細をお知りになりたい方は、ぜひこちらのサイトからお気軽にお問い合わせください。

【監修】
佐藤俊彦 医師
医療法人 DIC
宇都宮セントラルクリニック 理事

出典:佐藤俊彦『ステージ4でもあきらめない 最新がん治療』(幻冬舎、2022/2/24)

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